コンテンツマーケティングの外注費用相場|内訳や費用対効果を高める方法も
コンテンツマーケティングを導入する際、費用や費用対効果は重要な検討事項の一つです。予算規模によって実施できる施策は異なり、効果的な運用方法も変わってきます。
そこで本記事ではコンテンツマーケティングの各工程にかかる費用の相場や、予算別の施策例、費用対効果を高めるための方法などを詳しく解説します。
コンテンツマーケティングの費用内訳と相場
コンテンツマーケティングにかかる費用の相場は初期費用として100〜500万円ほど、月額料金として30万円〜100万円ほどです。
コンテンツマーケティングの料金の内訳としては、下記の通りです。
施策の内訳 | 初期費用 | 月額費用 |
戦略策定 | 50〜150万円 | - |
サイト制作費用 | 100〜300万円 | 3〜20万円(システム利用料として) |
各種ツールの利用料 | 無料〜数十万円 | 無料〜十数万円 |
コンテンツの作成費用 | - | 5〜20万円/本(取材なし) 10〜30万円/本(取材あり) |
解析・分析費用 | 20〜30万円 | 20〜40万円 |
戦略策定
コンテンツマーケティングを始める際、まず必要になるのが戦略企画の策定です。ターゲットとなるペルソナの設定、競合分析、キーワード選定、コンテンツの企画など、全体の方向性を決めるこの工程は非常に重要です。
戦略立案は経験豊富なマーケターが担当することが多く、相場は50〜100万円程度が目安となります。ブランドの構築やコンセプト設計から行う場合は、100〜150万円を考えておきましょう。
戦略策定の詳細はこちら:マーケティング戦略策定支援
サイト制作費用
コンテンツマーケティングを実施するためには、コンテンツの母艦となるWebサイトが必須です。ターゲットユーザーを引き付け、コンテンツへの誘導や問い合わせへのアクションを促すためには、ユーザビリティとデザイン性に優れたサイト設計が求められます。
制作費用は規模によりますが中小企業のコーポレートサイトやメディアサイトの場合、制作費で100〜300万円程度、システムの利用料として月額3〜20万円が相場です。特殊な機能やデザインを盛り込む場合は、さらに費用が上がる傾向にあります。
「Webサイトはすでにある」といった場合でも、制作してから年数が経っている場合やシステムの使い勝手が悪い場合はリニューアルが必要となるケースも多いです。既存のサイトを主軸にコンテンツマーケティングを展開すべきかどうかは専門家と相談しながら進めましょう。
各種ツールの利用料
コンテンツマーケティングを効果的に進めるためには、各種ツールの活用が欠かせません。例えば、Webサイトのアクセス解析にはGoogleアナリティクスなどのアナリティクスツール、SEOにはAfrefsやsemrushなどのSEOツール、ソーシャルメディア運用にはSocialDogなどのSNS管理ツールなどが挙げられます。
これらのツールは無料から利用できるものも多いですが、高度な機能を使う場合は月額数万円〜十数万円の費用がかかります。ツールは時間をお金で買う側面もあるので、必要に応じて導入を検討しましょう。
コンテンツの作成費用
コンテンツマーケティングの肝となるコンテンツ作成。社内のライターが制作する場合は人件費が、外注する場合は外注費が発生します。
コンテンツのクオリティや量、取材の有無によって費用は変動します。 1記事あたりの相場は取材なしで5万円〜20万円程度、取材ありで10万円〜30万円を目安としましょう。量産するよりも、読者にとって価値の高いコンテンツを定期的に生み出していくことが重要だと言えます。
関連記事:コンテンツSEOを外注するメリット・デメリット|費用相場と外注先選びのポイントとは
解析・分析費用
コンテンツマーケティングを継続的に改善していくためには、定期的な解析と分析が必要不可欠です。自社で担当者を置く場合は人件費が、外部に委託する場合は委託費が発生します。
ツールの効果的な使い方やデータの読み取り方、改善施策の立案など、高度なスキルが要求される業務のため、相応のコストがかかります。分析基盤の構築として20〜30万円、月ごとのレポートとして20〜40万円程度が相場です。
解析・分析の詳細はこちら:アクセス解析・Webコンサルティング
コンマルクの各サービスの詳細や費用はサービス資料 / 料金表に記載しております。詳細な金額感について知りたい方は、以下のリンクよりサービス資料のダウンロードが可能です。
【予算別】コンテンツマーケティング外注施策例
コンテンツマーケティングといっても予算によって、できることが大きく異なります。月の予算別にコンテンツマーケティングで、外注できる施策例について紹介します。
予算(月額) | 施策例 |
10万円以下 | ・1〜2本のブログ記事制作(月) |
10〜30万円 | ・5〜10本のブログ記事制作(月) ・SEOやサイト数値のスポットコンサル ・SNS運用 |
30〜50万円 | ・戦略立案やサイト設計、記事制作、SNS運用、効 果検証などの複数施策 |
50万円〜 | ・経験があるマーケター、制作のプロを選んで戦略策定〜施策実行〜効果検証まで依頼可能 |
月額10万円以下
月額10万円以下の予算でコンテンツマーケティングを外注する場合、できることは限られます。簡単なブログ記事の作成やテキストのみのSNS運用の代行など、一部の業務に絞って依頼することになるでしょう。目安としてはフリーランスライターや記事作成専門の会社に依頼し、月1〜2本の記事制作になります。
この予算では記事のディレクションやコンテンツ制作は自社となるため、自社の方向性が固まるまでの期間限定で利用したり、社内担当者のサポート的な位置づけで外注したりすることになります。
月額10〜30万円
月額10〜30万円の予算があれば、ある程度まとまったコンテンツマーケティング施策を外注できます。
フリーランスライターや記事作成専門の会社であれば月に5〜10本程度の記事制作が可能です。またSEOやサイト数値から改善策を提案するWebコンサルティング、SNSの運用も10〜30万円で依頼できます。
ただしこの価格帯では戦略策定やサイト設計などは含まれないことが多いため、社内の担当者とよく連携を取りながら進めていく必要があります。この価格帯の外注は、自社の手が回らない部分を効率的に補うことに適しています。
月額30〜50万円
月額30〜50万円の予算を確保できれば、コンテンツマーケティングの主要な工程をある程度外注可能です。 高品質なブログ記事の制作はもちろん、戦略立案やサイト設計、SNS運用、効果測定など、一連の流れを任せられます。
業務のほとんどを外注先に任せるほどではありませんが、社内の管理工数を大幅に減らせるため、規模の大きなコンテンツマーケティングを推進する際に適した価格帯だと言えます。ただし、外注先の質によって実施内容や成果に差が出る点には注意が必要です。
月額50万円〜
月額50万円以上の予算があれば、コンテンツマーケティング施策の大部分を外注できます。 経験豊富なマーケターによる戦略立案から、読者を引き付けるハイクオリティなコンテンツ制作、最新トレンドを捉えたSNS運用、施策の成果検証まで、ワンストップで対応可能な業者に依頼が可能でしょう。
社内リソースが乏しい企業や、マーケティング活動に注力したい企業に最適な選択肢だと言えますが、外注先選定には細心の注意を払う必要があります。実績やスキルだけでなく、自社の業界への理解度や、担当者とのコミュニケーションの質なども見極めが大切です。
「月の予算内で実施できる施策を知りたい」「どのくらいの予算が必要か知りたい」などのお悩みを抱えている方はお気軽にご相談ください。まずは費用内で実施できる施策からご提案いたします。
コンテンツマーケティングで期待できる効果
ここからは一定の費用がかかるコンテンツマーケティングについて、それでも行うべき理由となる効果を紹介します。コンテンツマーケティングの効果は次の7つです。
売り込み要素を感じさせづらいアプローチができる
潜在顧客をターゲットにできる
顕在層も狙えるので広告費を置き換えていける
市場に専門家として認識されやすくなる
コンテンツが資産になりやすい
- 外部委託でリソースやナレッジを確保できる
1. 売り込み要素を感じさせづらいアプローチができる
コンテンツマーケティングの大きな特徴は、ユーザー目線で有益な情報を提供する点にあります。製品やサービスの売り込みを前面に出すのではなく、読者の悩みや課題を解決するためのノウハウをコンテンツとして発信します。
先に読者の悩みを解決することにより、ユーザーに売り込まれている感を与えずに、自然な形で製品への興味や関心を引き出すことが可能になります。
関連記事:オウンドメディアの費用対効果は高い?低い?判断指標や成果を高めるコツを紹介
2. 潜在顧客をターゲットにできる
通常のマーケティング施策では、製品やサービスへの興味が明確な顕在顧客をメインターゲットとすることが多いです。しかしコンテンツマーケティングでは、顕在顧客だけでなく潜在顧客もターゲットとして設定可能です。
まだ課題解決の方法を探している段階の潜在顧客に向けて、自社がユーザー目線に立った有益な情報を届けることで、将来的な購買行動へとつなげていくことができます。適切なペルソナ設定とコンテンツ設計により、効果的なアプローチが実現できるでしょう。
3. 顕在層も狙えるので広告費を置き換えていける
コンテンツマーケティングは潜在顧客へのアプローチに適していますが、もちろん顕在顧客も取り込むことが可能です。例えば、自社製品の活用方法やメリットを具体的に紹介するコンテンツを発信することで、すでに購買意欲のある顕在層を効果的に取り込むことができます。
広告のように即時的な効果は期待できませんが、中長期的に見れば広告効果の一部をコンテンツ側で発揮できるので、広告費を置き換えていくことも可能です。ファンネルの各段階に合わせたコンテンツ設計により、トータルでの費用対効果を高めていきましょう。
関連記事:コンテンツマーケティングと広告の違いとは?使い分け方や活用のコツを紹介
4. 市場に専門家として認識されやすくなる
良質なコンテンツを継続的に発信していくことで、「○○といえばこの会社」のような第一想起を獲得でき、自社のブランドイメージを大きく向上させることができます。業界の最新トレンドや課題に対する解決策を提示していけば、その分野における専門家としての認識が市場に広がっていきます。結果として、競合他社との差別化が図れ、ユーザーからの信頼も得やすくなるでしょう。
5. コンテンツが資産になりやすい
例えばWeb広告は出稿が止まると一切の集客が止まってしまいますが、コンテンツマーケティングで制作したコンテンツは公開し続けている限りいつでもアクセス可能なデータとして蓄積されていきます。つまり一度作成したコンテンツは長期的に集客、訴求効果を発揮し続けるのです。
コンテンツを通じて長期的にユーザーとの接点を築いていける点は、コンテンツマーケティングの大きな魅力だと言えるでしょう。
6. 外部委託でリソースやナレッジを確保できる
社内にマーケティングのリソースやナレッジが不足している場合でも、外部への委託によりコンテンツマーケティングを始めることが可能です。
戦略策定、コンテンツ制作、効果検証など、一連の業務をワンストップで請け負う専門業者も数多く存在します。自社だけでは難しい高度な施策も、外部パートナーの力を借りれば実現可能になるでしょう。ただし委託先選びは慎重に行う必要があります。単に価格の安さだけでなく、これまでの実績やマーケティングスキル、自社ビジネスへの理解度なども見極めが欠かせません。
関連記事:コンテンツマーケティングが得意な会社15選|外注先の選び方も解説
コンテンツマーケティングの3つのデメリット
コンテンツマーケティングは、効果が期待できる一方でデメリットもあります。コンテンツマーケティングのデメリットは以下の3つです。
効果が出るのに時間がかかる
コンテンツの作成に時間や費用がかかる
継続的なメンテナンスが必要
1. 効果が出るのに時間がかかる
コンテンツマーケティングは、即効性のある施策ではありません。SEOが効果を発揮するには数ヶ月以上の時間を要しますし、読者からの問い合わせを獲得する程度に信頼を獲得するには、長期的なコンテンツ発信が必要です。この特性ゆえに、施策を開始してもすぐには目に見える成果が出ないことがあります。
短期的な効果を求めるのではなく、半年〜2年程度の期間は我慢強く継続していく覚悟が必要だと言えます。ただし読者第一のコンテンツの品質を維持し、定期的な更新を重ねていけば、必ず効果は表れてきます。長い目で見た投資の重要性を認識しつつ、地道な積み重ねを続けていきましょう。
2. 社内のリソース確保が必要
良質なコンテンツを生み出すためには、一定の時間と費用が必要です。記事一本を作るのにも、企画から取材、執筆、校正まで、数多くの工程を踏まなくてはいけません。特に自社で全て内製化する場合、社内リソースの確保が大きな課題になります。また外注する場合でも、そもそも外注費がかかる上に、発注から納品までのやり取りに一定の社内リソースを割く必要があります。
コンテンツ制作の負荷を減らすためには、社内外の人材を効率的に活用する工夫が欠かせません。例えば副業で情報発信をしている社員を巻き込む、外注先とのコミュニケーションを最適化するなどの対応が考えられます。社内でのナレッジ共有を進め、担当者の属人性を排除していくことも重要です。
全て内製化する場合、社内のリソースを有効活用するためにも事前に表記・トンマナを揃えることも大切です。それにより修正や校正の回数を減らし、少ないリソースでも効率的な運用ができます。以下の資料ではオウンドメディアにおける表記ガイドラインの制作事例をまとめました。無料でダウンロードできるのでぜひ参考にしてください。
3. 継続的なメンテナンスが必要
せっかく良いコンテンツを作っても、「一度公開したらそれで終わり」では効果は半減です。情報が古くなったコンテンツは、ユーザーの役に立たないどころか、ときにはサイトの信頼性を損なうおそれもあります。
常に情報のアップデートを意識し、定期的にリライトをはじめとするメンテナンスを行っていく必要があります。
そのためには社内で中心となってメンテナンスを推進する担当者を明確にしましょう。加えてコンテンツの修正履歴を管理し、いつどこを修正したのかを誰もが把握できるようにしておくことも大切です。一過性の施策ではなく、継続的な運用を前提とした仕組み作りを心がけましょう。
コンテンツマーケティングの費用対効果を高める方法5選
コンテンツマーケティングには多くのメリットがあるものの、デメリットも存在します。そこで、ここではコンテンツマーケティングの費用対効果を高める方法について解説します。
初期設計を作り込む
サイトへの流入経路を複数もつ
- 継続的に成果を判断する
外注を効果的に利用する
1. 初期設計を作り込む
コンテンツマーケティングの成否を分けるのが、初期の設計段階だと言っても過言ではありません。ターゲットユーザーの選定、競合調査、キーワード設計など、ここでの戦略策定が後の施策の方向性を大きく左右するからです。曖昧な仮説に基づいて進めるのではなく、可能な限りデータを活用しつつ、緻密な設計を行うことが求められます。
特にペルソナ設定とユーザーの検索意図の深堀りは念入りに行っておくことが重要です。じっくりと時間をかけて、初期設計で道筋をつけておきましょう。
2. サイトへの流入経路を複数もつ
検索経由のオーガニック流入は大切な集客経路ですが、それ以外の流入も確保しておくことが費用対効果向上のために重要となります。検索以外での流入からもお問合せやリードが獲得できる可能性がある上に、読者の行動データがGoogleに良いシグナルを与えることも。
流入経路としてはSNSやプレスリリースが挙げられます。自社アカウントからコンテンツを積極的に発信し、ソーシャルでの拡散を狙っていきましょう
メルマガとの連携や、営業部門にかけあって既存顧客にも広めてもらうなど、複数の導線を用意しておくのも効果的です。
3. 継続的に成果を判断する
コンテンツマーケティングにおいては、PDCAサイクルを高速で回していくことが重要です。制作したコンテンツが初期の目的を達成しているか、適切な指標を設定して継続的に成果を判断しなくてはなりません。
アクセス数、滞在時間、直帰率、CV数など、複数の観点からデータを分析し、次のアクションにつなげていく必要があります。仮説検証を重ね、コンテンツ設計に反映させることで、費用対効果の高い施策展開が可能になるでしょう。
4. 外注を効果的に利用する
ノウハウがない状態で、自社だけですべてのコンテンツマーケティング施策を回すのは容易ではありません。知見がないことで延々と調べ物をする時間が発生したり、質の低い、もしくはターゲットのニーズとはズレたコンテンツを制作し続けたりすることで、なかなか効果に繋がらないことも考えられます。
費用対効果を高めるためには、外部リソースを効果的に活用することが重要です。単にコストカットのための丸投げではなく、自社の活用できるリソースや強みを整理した上で外注範囲を決定することが重要だといえます。
例えばノウハウがあるのであれば戦略策定は自社主導で進め、記事の執筆は外注に回すと費用を抑えつつも社内リソースを逼迫することなく実行できるでしょう。ノウハウがないのであれば戦略設計から記事制作までを外注し、自社の培った業界のナレッジや資料の提供を行うなどメリハリをつけるのがおすすめです。
コンテンツマーケティングはコンマルクまでご相談を
この記事ではコンテンツマーケティングにかかる費用相場や予算別にできること、費用対効果を高める方法について解説しました。コンテンツマーケティングは予算別で実施できる施策が異なるため、予算や社内のリソース、KPIなどから総合的な判断が必要です。
「コンテンツマーケティングを実施するべきか迷っている」方はぜひ、株式会社GIGのコンテンツ制作・Webマーケティング支援サービス「コンマルク」までご相談ください。
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