EFO事例から学ぶ改善手法|フォームの離脱を減らしてCVRを上げる方法
問い合わせページへのアクセスはある。それでも送信が増えない——そんな課題を抱えているWebサイト担当者は少なくないはずです。
コンマルクでも、同じ問題に直面しました。分析した結果、フォームのUI部分に原因があると判断し、3箇所だけ手を入れることで、お問い合わせ完了率を17.72%から32.99%(+86%)に改善することができました。
本記事では、コンマルク自社のお問い合わせフォーム改善事例をもとに、課題の発見から施策・効果検証までの流れを詳しく解説します。あわせて、他社のEFO成功事例も厳選して紹介しますので、自社フォームの改善を検討している方はぜひ参考にしてください。
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EFOとは、入力フォームをユーザーにとって使いやすくする施策
EFO(Entry Form Optimization)とは、入力フォームを最適化してユーザーの途中離脱を減らし、コンバージョン率を向上させる施策の総称です。問い合わせフォームや資料請求フォーム、会員登録フォームなど、あらゆる入力フォームが対象になります。
入力項目を絞る、住所を郵便番号から自動入力させる、エラーをリアルタイムで表示する——こうした一つひとつの改善がユーザーの離脱を防ぎ、最終的なコンバージョン数の増加につながります。
LPO(ランディングページ最適化)や広告運用と比べてEFOが注目される理由の一つは、「すでに興味を持って来訪しているユーザー」の取りこぼしを減らせる点にあります。広告費を変えずに、フォームの使いやすさを改善するだけでコンバージョン数が伸びる——それがEFOの本質的な価値です。
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コンマルク自社でのお問い合わせフォーム改善事例
ここからは、コンマルク自社のお問い合わせフォーム改善事例を詳しく解説します。「GA4やヒートマップで分析はしているが、改善施策に落とし込めていない」という方にとって、具体的な手順の参考になれば幸いです。
課題:ページには来ているのに、送信されていない
改善前のお問い合わせ完了率は17.72%にとどまっていました。つまり、10人がお問い合わせページを訪れても、実際に送信まで完了するのは2人に満たないという状態です。
なお、以下のような基本的なEFO施策はすでに実施済みでした。
- フォームの入力項目を最小限に絞る
- ヘッダー・フッターを削除し、他ページへの離脱を防ぐ
にもかかわらず、完了率は低いまま。基本的な対策では解決しなかった原因が、フォーム自体のUIにあると仮説を立て、詳細な分析に踏み込みました。
GA4・ヒートマップツールで見えてきた3つの仮説
フォームの使用感の検証やお問い合わせへ至ったユーザーの動きをGA4やヒートマップツールで分析した結果、以下の3つの仮説を立てました。
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仮説1|選択肢がわかりにくい

改善前は「ご相談内容」の選択肢として「マーケティング施策/コンサルティング業務」や「コンテンツ制作/SEO関連」のような項目が並んでいました。どちらも似たような意味に見え、自分が相談したい内容がどれに当てはまるかを判断しにくい状態になっていました。その結果、選択肢を選ぶのに時間がかかったり、判断できずに諦めてしまったりするユーザーが一定数いたと考えられます。
仮説2|プルダウンの操作ステップが多い
ご相談内容の入力欄はプルダウン形式でした。プルダウンはフォームが短く見えるという利点はあるものの、相談内容を選択するまでに「開く→スクロールする→選ぶ」という複数のステップを要するデメリットもあります。
「もっと簡単に選べれば、最後まで入力してもらえるのでは」という考えが、フォームのUI改善のヒントになりました。
仮説3|自由記述の心理的ハードルが高い

改善前は「お問い合わせ詳細」が必須項目となっていました。しかし、課題が明確になっていないユーザーにとって「何をどこまで書けばいいのか」はわからないものです。そこで競合サイトを10社分析した結果、大半の企業が任意にしていたことがわかり、必須から外すことを検討しました。
フォームを3つだけ変えた
3つの仮説をもとに、フォームの変更箇所を絞り込みました。施策と仮説の対応は以下の通りです。
仮説 | 施策 |
選択肢がわかりにくい | 「SEO」「広告」など施策別のシンプルな軸に選択肢を整理・統合 |
プルダウンの操作ステップが多い | プルダウンをチェックボックスに変更 |
自由記述の心理的ハードルが高い | 「お問い合わせ詳細」を必須から任意へ変更 |
施策①:選択肢を「施策別」で整理

「マーケティング施策/コンサルティング業務」「コンテンツ制作/SEO関連」といった重複感のある選択肢を廃止し、「SEO・AI検索最適化」や「動画制作」など、ユーザーが直感的に選びやすい施策名に変更しました。「どれを選んでいいかわからない」という迷いをなくすことが目的です。
施策②:プルダウンをチェックボックスに変更

選択肢をチェックボックスに変えることで、ページを開いた瞬間に全選択肢が一覧で見える状態になりました。プルダウンを開く手間がなくなり、複数の相談内容を持つユーザーも選びやすくなりました。
施策③:「お問い合わせ詳細」を任意に変更

「お問い合わせ詳細」を必須から任意に変更することで、「詳しいことは後で担当者と話せばいい」という気軽さが生まれます。「まずは問い合わせてみよう」という入り口のハードルを下げることが、完了率改善に直結しました。
結果:お問い合わせ完了率が17.72%から32.99%に改善(+86%)
施策の前後で、お問い合わせ完了率を計測しました。
計測期間 | お問い合わせ完了率 |
Before(2025年5月1日〜10月31日) | 17.72% |
After(2026年1月1日〜3月31日) | 32.99% |
変化 | +86% UP |
フォームのデザインや構造を大幅に変えたわけではありません。選択肢の整理・操作ステップの削減・心理的ハードルの低減という3点を変えただけで、完了率はほぼ2倍になりました。フォームのUI改善には、ビジュアルよりも「ユーザーが感じる手間と迷い」を取り除くことが有効だと示した事例です。
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他社のEFO成功事例3選
自社の事例と合わせて、一次情報が確認されている他社のEFO成功事例も紹介します。いずれも「何を変えたか」が明確な事例です。
パーソナルジムの会員登録フォーム:入力通過率が約2倍に
あるパーソナルジムでは、フォームに条件分岐を導入して冗長な項目を整理したことで、申し込みフォームの通過率が約2倍に向上しました(出典:formrun公開事例)。
パーソナルジムの会員登録フォームは、コース選択・体の悩み・スケジュールなど項目が増えやすい構造を持っています。条件分岐を活用することで「この人には不要な項目を出さない」という設計が可能になり、入力者の心理的な負担が下がりました。「フォームが長すぎると途中で諦める」という課題に対して、項目を削るのではなく「適切な項目だけを見せる」という発想が有効だった事例です。
成果の本質はツールの導入そのものではなく、離脱ポイントを特定し、仮説に基づいてフォーム設計を変えたことにあります。この「計測→仮説→設計変更」のプロセスは、自社でも再現できる考え方です。
広告運用ツール提供企業の資料請求フォーム:入力完了率が2倍に
ある広告運用ツール提供企業では、資料請求フォームの項目を整理し、フォームに資料のイメージ画像を掲載したことで、入力完了率が2倍に向上しました(出典:formrun公開事例)。
「フォームの中に資料の内容を視覚的に示す」という施策は、入力モチベーションの向上という観点から注目に値します。「この資料を手に入れるためなら入力の手間をかける価値がある」とユーザーに感じさせることで、完了率が上がる。コンマルク自社のお問い合わせ詳細を任意にした施策と同様に、「入力の心理的コストを下げる」というアプローチです。
ここでも鍵になっているのはツールの選択ではなく、「なぜユーザーが入力を完了しないのか」という問いに答えるフォーム設計の工夫です。
人材サービスの応募フォーム:入力開始率・完了率が改善
ある人材サービスの応募フォームでは、従来の一覧型フォームを一問一答のステップ型フォームへ変更し、進捗バーを追加したことで、入力開始率が40%改善(従来比140%)、入力完了率が55%改善(従来比155%)しました(出典:Kaizen Platform公開事例)。
一度に多くの項目を見せると、入力開始前から「量が多い」と感じさせてしまいます。一問一答のステップ型にすることで「今は1つだけ答えればいい」という状態を作り、離脱を防いだ事例です。進捗バーによって「あとどれくらいで終わるか」を可視化したことも、完了率を高めた要因の一つです。
3つの事例に共通するのは、「どのツールを使うか」より先に「ユーザーがどの時点でなぜ離脱するか」を明らかにしたことです。フォーム改善で成果を出すには、まず計測と仮説設計に取り組むことが前提になります。
これらの事例に共通するのは、ツールを導入したこと自体が成果の本質ではないという点です。どの離脱ポイントに対してどう仮説を立て、フォーム設計をどう変えたかが成果を生んでいます。自社で取り組む際も、まずは計測と仮説設計から始めることが、成果への近道になります。
EFO成功事例に共通する3つの視点
ここまでの事例を横断してみると、成功したEFO施策には共通する視点があることがわかります。
データで仮説を立ててから動く
「なんとなくフォームが長そうだから短くしよう」という感覚ではなく、GA4やヒートマップで離脱ポイントを特定し、そこに対応する施策を打つという順序が重要です。コンマルクの事例でも、データ分析によって3つの仮説を特定できたことが、的確な施策につながりました。
感覚や経験だけで施策を決めると、改善効果が不確実になります。測定→仮説→実施→検証というサイクルを意識することが、継続的な改善の基盤になります。
入力の「心理的ハードル」を取り除く
「何を書けばいいかわからない」「選択肢の意味がわからない」「どれを選んでいいか迷う」——これらはフォームへの入力量や入力形式とは別に存在する、ユーザーの心理的なブレーキです。コンマルクの事例では、選択肢の整理と「詳細は任意」という変更が、このブレーキを外す役割を果たしました。
技術的な入力補助(住所自動入力・フリガナ自動変換など)と合わせて、「何を答えればいいかが一目でわかる設計」をセットで考えることがEFOの核心です。
「完了させやすい」設計を意識する
先述のステップ型フォームや進捗バーの事例が示すように、フォームの完了を「達成できそう」と感じさせる設計がコンバージョンに直結します。全項目を一覧で見せる方式は入力前から圧迫感を与えますが、ステップ型にすることで「今見えている範囲だけ答えればいい」という感覚をもたらします。
「入力の量を減らす」と「入力を完了させやすくする」は別のアプローチです。両方の視点を持つことで、フォーム改善の選択肢が広がります。
自社フォームのEFO改善を始める4つのステップ
事例を参考にしながら、実際に自社のフォーム改善を進めるための手順を整理します。
STEP1:完了率(送信率)を計測する
まず現状を数値で把握します。GA4のファネルレポートやイベント設定を使って「フォーム到達者のうち何%が送信まで完了しているか」を確認してください。「フォームへ到達したが送信しなかったユーザー」の存在を数値で把握していない場合、改善の優先度も判断できません。
STEP2:離脱ポイントをヒートマップ・操作ログで特定する
ヒートマップツールでフォーム内のスクロール深度やタップ位置を確認し、どの項目でユーザーが止まっているかを可視化します。フォームを自分で実際に入力してみることも有効です。「これは入力しにくい」と感じた瞬間が、ユーザーの離脱ポイントの有力候補になります。
STEP3:仮説を立て、優先度の高い施策から実施する
データをもとに「なぜ離脱が起きているか」の仮説を立てます。施策は一度に大量に実施するのではなく、インパクトが大きそうなものから1〜2件ずつ実施してください。複数を同時に変更すると「何が効いたか」がわからなくなります。
STEP4:施策前後の完了率を比較し、次の仮説に移る
施策実施前後の完了率を比較して効果を検証します。改善が見られた場合も「なぜ改善したか」を言語化してから次の施策に移ることで、知見が積み上がっていきます。EFOは一度やって終わりではなく、測定・改善のサイクルを繰り返すことで成果が積み重なります。
よくある質問
EFOとLPOの違いは何ですか?
EFOはフォームに特化した最適化施策、LPOはランディングページ全体の最適化施策です。役割の違いで整理すると、LPOは「フォームへの到達率を上げること」、EFOは「フォームに到達したユーザーの離脱を防いで完了率を上げること」を目的としています。CVRを改善したい場合、どちらか一方だけでなく、両方を組み合わせるのが効果的です。
EFOで最初に取り組むべきことは何ですか?
施策の実施よりも先に、フォームの現状を計測することが最初のステップです。GA4のファネルレポートやイベント設定でフォーム完了率(送信率)を把握し、ヒートマップツールでどの項目でユーザーが止まっているかを可視化してください。「何が問題か」をデータで確認しないまま施策を打つと、効果の検証が難しくなります。
お問い合わせフォームの「詳細欄」は必須にすべきですか?
コンマルク自社の事例では、「お問い合わせ詳細」を必須から任意に変更したことで完了率が大きく改善しました。課題が明確でない段階で問い合わせる層にとって、詳細欄の必須記入はハードルになりやすいため、任意にするのが有効なケースが多いです。競合サイトを調査した結果でも、大半の企業が任意に設定していたことが確認されています。
EFOの効果はどのくらいの期間で確認できますか?
フォームのUI変更(項目の整理・入力形式の変更など)は実施後すぐに計測を開始できます。ただし、統計的に意味のある差が出るまでには、フォームへのアクセス数に応じて1〜3ヶ月程度の計測期間が必要なことが多いです。アクセスが少ないフォームほど判断に時間がかかるため、施策は焦らず継続的に検証することが重要です。
EFOはツールなしでも実施できますか?
GA4とヒートマップツールがあれば、EFOツールを導入しなくても改善に取り組めます。コンマルク自社の事例も、GA4とヒートマップツールで分析し、フォームの設定を直接変更することで完了率+86%を実現しました。EFOツールは分析精度の向上やA/Bテストの自動化に役立ちますが、まず既存のアクセス解析環境を使って現状を把握するところから始めるのが現実的です。
フォームの入力項目数はどのくらいが適切ですか?
適切な項目数はフォームの目的によって異なりますが、「本当に必要な項目だけを残す」という原則が基本です。特に問い合わせフォームの場合、初回の接触段階では最低限の情報(名前・メール・相談内容)のみに絞り、詳細は商談・ヒアリングで確認するという設計が完了率を高めやすくなります。競合サイトを10社程度調査し、相場観を把握してから自社の項目構成と比較するアプローチが実用的です。
フォームの改善・アクセス解析のご支援ならコンマルクへ
「GA4やヒートマップは導入しているが、改善施策に落とし込めていない」「フォームの何が問題なのかを客観的に評価してほしい」——そのようなお悩みを抱えているWeb担当者の方は、ぜひコンマルクにご相談ください。
コンマルクでは、上級ウェブ解析士・ウェブ解析士の資格を持つ担当者が、GA4・ヒートマップツール・サーチコンソールなどのデータをもとに、課題の特定から改善施策の提案まで一貫してサポートします。フォームのUI改善はもちろん、コンバージョン導線の設計やランディングページの最適化まで、課題に応じて柔軟に対応可能です。
「まずは現状を分析してほしい」というご相談から歓迎しています。
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SEOコンテンツディレクター・ストラテジスト。5,000記事以上のコンテンツ制作実績をもち、製造業から美容、テクノロジーまで幅広いジャンルにて集客・リード獲得実績多数。株式会社GIGの運営するLeadGrid Blogにて初代編集長を務める。コンマルクでは、SEOを軸としたコンテンツマーケティング戦略とWebマーケティングの実践知を発信する。