
オウンドメディアでリード獲得する方法をわかりやすく解説!コツや役立つツールとは

広告費をかけずに見込み顧客(リード)を集める手段として、近年オウンドメディアの活用があらめて注目されています。自社の強みや専門性を活かしながらリードと信頼関係を築ける点が、他のマーケティング手法にはない、オウンドメディアならではの魅力です。
とはいえ、ただブログを更新するだけでは効果は出ません。戦略的にオウンドメディアを設計・運用することで、はじめて「リード獲得メディア」として機能します。
この記事では、オウンドメディアの基本からリード獲得までの流れまで、初心者にもわかりやすく解説します。
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業や組織が自ら所有・運営するメディアのことです。代表的なものとして、「自社ブログ」「ブランドサイト」「採用サイト」などがあります。
基本的には、自社のドメイン内にあるメディアが対象ですが、広義ではホワイトペーパーやメルマガ、SNSアカウントなども含まれます。つまり、「企業自身がコントロールできる情報発信手段」全般がオウンドメディアだといえるのです。
特徴的なのは、外部メディアに頼らなくても自由に発信できる点と、中長期的に集客し続けてくれる資産になる点です。コンテンツを蓄積することで、広告のような一時的な露出ではなく、継続的な集客・信頼構築が可能になります。
関連記事:オウンドメディアとは?目的やメリット、運営のポイントを解説
リード獲得にオウンドメディアが効果的な理由
オウンドメディアは、リードを集める強力なチャネルです。その理由として、以下の5つが挙げられます。
ターゲットを絞りやすいから
認知からコンバージョンまで導けるから
費用対効果が高いから
自由度が高いから
リード獲得後も役立ってくれるから
各項目について説明します。
ターゲットを絞りやすいから
オウンドメディアでは、掲載するコンテンツのテーマやキーワードを自由に設定できます。そのため、自社商材に興味を持つユーザー(=リード)が自然と集まりやすくなるのです。
例えば「人事担当者向けの働き方改革ブログ」を作れば、人事担当者を効率的に集客できます。広告よりもずっとピンポイントにアプローチできる点が、オウンドメディアの強みです。
認知からコンバージョンまで導けるから
SEOやSNSを通じて集客できれば、「認知→興味→比較→導入(コンバージョン)」の一連の流れをオウンドメディア内で完結させることができます。この導線設計が可能な点も、他のマーケティング手法にはない大きな魅力だといえるでしょう。
コンテンツを通じて自社の価値や強みを伝えられれば、顧客との信頼関係を築きやすくなります。また、検索から訪れるユーザーは購買意欲が高い傾向にあるので、顕在層だけでなく潜在層へのアプローチにも有効です。
費用対効果が高いから
広告のように「出稿を止めたら集客も止まる」わけではない点も、オウンドメディアの魅力です。一度制作した記事は、検索結果に表示され続ける限り、集客効果を生み続けてくれる資産になります。
さらに、作成したコンテンツはメルマガやセミナー資料、ホワイトペーパーなどに再利用することが可能です。1つのコンテンツをさまざまな形で活用できる点も、費用対効果を押し上げてくれる大きな要因です。
関連記事:オウンドメディアの費用対効果は高い?低い?判断指標や成果を高めるコツを紹介
自由度が高いから
外部メディアや広告出稿では、掲載基準や表現のルールに縛られることが少なくありません。一方でオウンドメディアなら、誰に何をどう伝えるかをすべて自社でコントロールできます。
業界特化のテーマやニッチな内容など、他では扱いにくい切り口も自由に発信できる点が魅力です。ブランドの世界観や価値観をじっくり伝えられるので、ロイヤルティの高い読者を育てやすいというメリットもあります。
リード獲得後も役立ってくれるから
オウンドメディアの効果は、リードを獲得するだけで終わりません。リードが実際の顧客となったあとも、継続的に関係性を築く場として活用できます。
例えば、導入後の活用方法や成功事例を紹介する記事があると、クロスセルやアップセルのきっかけになるかもしれません。既存顧客のファン化や、売上の安定化にも効果的なのです。
オウンドメディアでリードを獲得する流れ
オウンドメディアでリードを獲得したいときは、以下の流れで準備を進めていきましょう。
目的とターゲットを明確化する
オウンドメディアのコンセプトとコンテンツを設計する
オウンドメディアを制作する
コンテンツを制作・最適化する
リード獲得の導線を整える
効果測定・改善を繰り返す
ここでは6つのステップに分けて、具体的な流れを紹介します。
1. 目的とターゲットを明確化する
オウンドメディアで成果を出すためには、「なぜやるのか」「誰に届けたいのか」を具体的に定めることが不可欠です。
まずは、メディアの目的を明確にするところからスタートしましょう。
月10件の問い合わせ(リード)を獲得する
商談化率の高いリードを育成する
サービスの認知度を業界内で高める
この際、ゴールを数値とセットで定めるとKPIや運用方針がぶれにくくなります。
さらに重要なのが、ターゲット(=誰に届けるか)の具体化です。この段階では「BtoBの決裁者」「20代女性」などのざっくりした属性だけではなく、ペルソナを具体的に設計しましょう。年齢や性別などの基本的な項目はもちろんのこと、日々の業務内容や課題、情報収集の手段、興味を持ちやすい話題、悩みなどできるだけ細かく設定します。
このペルソナに対して「どのような課題に気づかせ」「どのような価値を感じさせるか」を逆算してコンテンツを設計していくと、リード獲得の近道になります。
2. オウンドメディアのコンセプトとコンテンツを設計する
次に、「どのような世界観で、どのような情報を届けるか」を決めるコンセプト設計です。コンセプトを明確にできると、コンテンツ制作の方向性が統一され、社内での意思決定もスムーズになります。
まずは、競合メディアや同業他社のオウンドメディアをチェックする「マーケット分析」を行い、以下のようなポイントを確認しておきましょう。
上位表示されている記事のテーマや傾向
各メディアの情報量・構成・デザインの特徴
読者の興味を引いているコンテンツ形式(事例・コラム・比較など)
他社と差別化できそうな切り口や強み
こうした分析を踏まえて、以下のように自社の立ち位置や提供価値を踏まえた独自のコンセプトを設計します。
マーケ初心者にもやさしい、図解でわかる〇〇講座
〇〇業界のDXを支援する“知識の駆け込み寺”
人事担当者のリアルな声から学べる実践メディア
このように、読み手の課題に自然と寄り添える設計を意識すると、ファン化を狙いやすいメディアになります。
そのうえで、カスタマージャーニーマップを作成して、どの段階でどんなコンテンツが必要かを整理しましょう。認知・興味・比較・導入の各フェーズに応じて、最適なメディアの形式や訴求ポイントを明確にしていきます。
関連記事:オウンドメディアのコンセプト設計方法を解説|重要な理由や設計事例についても
関連記事:オウンドメディアの戦略設計7ステップ|目的に即したKPIや成功例を解説
3. オウンドメディアを制作する
コンセプトやコンテンツ設計が固まったら、いよいよ実際のオウンドメディア制作に進みます。ここで大切なのは、“ただ作る”のではなく、“成果が出る設計”を意識することです。
まずは、サイトの構成や導線設計を見直しましょう。
ユーザーがストレスなく目的にたどり着ける構造になっているか
CTA(資料請求・問い合わせボタンなど)の配置は自然か
モバイルでも見やすいか
上記のように、ユーザー体験(UX)とSEOの両方を意識した設計が重要です。
すでにメディアが存在している場合でも、目的やターゲットと合っていない、もしくは情報が古いと感じるなら、リニューアルを選択肢に入れましょう。特にBtoB領域では、「古い=信頼しにくい」と判断されるケースもあるため、デザインや表現もアップデートしていくことが大切です。
また、更新・管理しやすいメディアを制作するために、CMS(コンテンツ管理システム)を導入することも検討してみましょう。例えば、専門知識ゼロでも直観操作で更新・編集できるLeadGridは、CMS・マーケティング機能にも特化しているため、リード獲得を目指している企業に最適です。
関連記事:【完全版】オウンドメディアの立ち上げ手順|サイト・記事制作の観点から解説
関連記事:オウンドメディアのリニューアル手順を解説!成功させるための5つの注意点とは?
4. コンテンツを制作・最適化する
オウンドメディアでリードを獲得するために欠かせないのが、検索ユーザーに刺さるコンテンツを計画的に作り、最適化し続けることです。
まずは、キーワードを設計しましょう。ターゲットが検索しそうなキーワードや課題をリストアップして、カスタマージャーニーの各段階(認知・興味・比較・決定)に合わせて分類します。例えば、「◯◯とは」は認知・興味段階、「◯◯ 導入事例」は決定段階など、フェーズに応じたニーズを整理しておきましょう。
そのうえで、「ユーザーにとって役立つ内容になっているか」「検索意図を満たしているか」を意識しながらコンテンツを制作します。テキストだけでなく、図解や動画なども交えるとより伝わりやすくなるでしょう。
公開後は、効果測定と改善を繰り返します。Googleサーチコンソール・GA4などのツールを使ってクリック率や滞在時間、コンバージョン率をチェックし、タイトルの改善、構成の見直し、CTAの調整などを行っていきます。
関連記事:コンテンツ制作とは?種類ごとの特徴やメリット・デメリットを紹介
5. リード獲得の導線を整える
オウンドメディアでリード獲得を成功させるには、しっかりとした導線設計が不可欠です。
記事下部やサイドバーには、お問い合わせや資料請求などのCTAを自然に配置しましょう。あわせて、関連記事への内部リンクも適切に設置すると、回遊率が上がってコンバージョンポイントまでたどり着いてもらいやすくなります。
導線設計は、ある程度コンテンツが増えてきたタイミングで整理・強化すると効果的です。特に人気記事や検索上位の記事は、しっかり導線を整えて“次のアクション”を後押しする工夫を凝らしましょう。
6. 効果測定・改善を繰り返す
オウンドメディアは「作って終わり」ではなく、育てていくものです。公開後の効果測定と改善が、成果を最大化するカギになります。Googleが提供する計測ツールやSEOツールを活用して、定期的に流入キーワードやクリック率、滞在時間、コンバージョン率などをチェックしておきましょう。
特に、検索順位が伸び悩んでいるページに関しては、「検索意図と内容がマッチしているか」を見直すことが大切です。はじめから完璧なメディアを制作することはできないので、PDCAを回しながら、少しずつ育てていくイメージで運用していきましょう。
オウンドメディアで質の高いリードを獲得するコツ
オウンドメディアを通じて質の高いリードを獲得するには、次のようなコツを意識することが有効です。
KPIを設定する
ターゲットのニーズに応じたコンテンツを制作する
コンテンツの質を高める
ターゲットのステージに応じたコンテンツを制作する
幅広く活用する
それぞれについて詳しく説明します。
KPIを設定する
オウンドメディアを運用するときは、最終的な目的はもちろん、それを達成するための中間目標(KPI)の設定も必要です。「何件の資料請求があればよいのか」「そのために何PV必要なのか?」といった具体的なKPIを設定しましょう。
KPIが明確になれば、改善すべきポイントもみえてきます。記事数やコンバージョン率、回遊率などの複数の指標を活用して、数字ベースでオウンドメディアの成長を管理していきましょう。
関連記事:コンテンツマーケティングのKPIを設定する手順|目的別の具体例や管理のポイント
ターゲットのニーズに応じたコンテンツを制作する
リードを獲得するには、ターゲットが本当に知りたいことや困っていることを解決できるコンテンツを制作する必要があります。ターゲットの課題や興味を深く分析して、どのような内容にすればよいのか見極めていきましょう。
また、Googleの検索結果やSNSの投稿、競合の人気記事などをリサーチし、よくある質問や悩みを把握することも大切です。実際に求められている情報の内容・形式をしっかりと調査することで、最適な内容・フォーマットで価値を届けられるようになります。
コンテンツの質を高める
オウンドメディアの集客はSEOがメインになる場合が多いため、SEO評価を高めることが大切です。Googleは、コンテンツの内容やユーザーに提供できる価値の質を重要な評価基準にしているので、質の高いコンテンツを制作することが何よりも重要となります。
特に、Googleが重視しているのは「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」です。この4つの要素を意識して、信頼できる一次情報や独自の内容を盛り込んでいきましょう。
関連記事:E-E-A-Tとは?4つの評価基準と具体的なSEO施策を紹介
ターゲットのステージに応じたコンテンツを制作する
認知段階・興味段階・比較段階など、ターゲットのステージによって求められるコンテンツは大きく異なります。例えば、「まだ課題に気づいていない層」にはよくある課題に関する解説系の記事を、「比較検討中の層」には導入事例やFAQ、「導入直前」には料金比較記事が有効かもしれません。
単にオウンドメディアに訪問してもらうだけでは、リード獲得につなげることは困難です。各フェーズに適したコンテンツを見極め、リードを育成(ナーチャリング)してくことが重要です。
関連記事:BtoB企業に重要なリードナーチャリングとは?手順や手法についても解説
幅広く活用する
コンテンツを制作して自社サイトで公開するだけではなく、幅広く活用することも意識してみましょう。
メルマガに記事へのリンクを設置する
SNSで解説画像をチラ見せする
ウェビナーの資料にする
広告出稿する
上記のように、コンテンツはさまざまなシーンで積極的に活用してみてください。ターゲットとの接点を増やせば、リードの質やバリエーションが広がります。
オウンドメディアのリード獲得に役立つツール
オウンドメディアを効率的に運用し、確実にリードを獲得するには、ツールの活用が欠かせません。ここでは代表的な3つのツールとその活用ポイントを紹介します。
CMS
MAツール
CRM
以下で、各ツールの役割をみていきましょう。
CMS
CMSは、記事の作成・編集・公開を行う基盤となるツールです。専門的な知識がなくてもサイトを更新・編集できるようになるので、オウンドメディアの運用を内製化したい場合は必ず導入しておきましょう。
なかでも、オールインワンCMS「LeadGrid」は、SEO設計や更新がしやすく、効率的なリード獲得をサポートしてくれるおすすめツールです。
ノーコードで直感的に更新できるため、マーケ担当者自身でコンテンツを柔軟に運用可能。運用の属人化を防ぎ、スピード感あるPDCAを回したい企業にぴったりです。
MAツール
オウンドメディアに訪れたユーザーを見込み顧客として育成(ナーチャリング)するためのツールです。「いつ・誰が・何を見たか」を管理して、最適なタイミングでのアプローチを支援してくれます。
MAツールを活用すると、さまざまなデータ収集・管理やマーケティング施策を自動化することが可能です。代表的な機能としては、メルマガ配信やリードのスコアリング、行動履歴のトラッキングなどが挙げられます。
CRM
実際に契約に至った顧客の情報を管理して、継続的な関係構築と管理を行うためのツールです。MAツールと連携させることで、「リード獲得→育成→商談→顧客化」までのプロセスを一元管理できるようになります。
企業が利益を上げるうえで重要なのは、新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客をつなぎとめる施策も実施することです。CRMがあれば、優良顧客の傾向把握や既存顧客のリピート促進が可能となるので、売上向上を実現しやすくなります。
オウンドメディアを活用したリード獲得ならコンマルクへご相談ください
オウンドメディアは、時間と手間をかける価値のあるマーケティング資産です。正しく設計し、丁寧に育てていくことで、広告に頼らずとも質の高いリードと出会える強力なチャネルになります。
しかし、実際にオウンドメディアで成果を出すのは簡単なことではありません。「戦略設計に自信がない」「コンテンツがターゲットにうまく刺さらない」「運用の工数が足りない」など、課題にぶつかる企業は多いはずです。
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コンマルクは、数百万PV〜数億PVのメディア構築実績を持つ専門家集団であるGIGのメディア編集部が、貴社の事業成長に必要不可欠なメディア運営を強力にバックアップするサービスです。初期の戦略策定からオウンドメディア制作・内製化支援までワンストップでご提供いたします。
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