社員インタビュー実践マニュアル【質問例・ロープレ付き】
採用広報コンテンツとして社員インタビューを制作することになったものの、インタビューが初めてで、魅力的な言葉を引き出せるか心配な人もいるのではないでしょうか。
「インタビューを実施しても、使える内容を聞き出せなかったらどうしよう」
「話すのが得意ではない社員と、どう会話を続けて、欲しい言葉を引き出せばいいんだろう」
本記事では、弊社(株式会社GIG)の泉が、顧客のコンテンツ制作や採用広報の現場でAIを積極的に活用しながら取材記事を制作してきた知見から、社員インタビューの制作ノウハウを具体的に解説します。
- 社員インタビューの制作フロー
- 社員インタビューの質問のポイント
- 社員インタビュー質問例と記事事例
- 取材時の深掘りのノウハウ
- 社員インタビューのロールプレイング
社員インタビューの制作ノウハウについては、コンテンツマーケティング特化型eラーニングサービス「コンマルクアカデミー」でも詳しく解説しています。

泉知樹(いずみかずき)関西学院大学卒業。2020年に株式会社GIGにジョインし、toC/toB向けメディアの運営を担当。インハウスにおける採用/事業広報施策ではAIを活用し、戦略設計およびコンテンツ制作を行っている。
社員インタビューの質は、質問設計と深掘りの力で決まります。
コンマルクは取材経験豊富なライター・編集者が対応します。
社員インタビューの制作フロー
社員インタビューの制作フローを概観すると、以下のとおりです。
| フェーズ | ステップ | ||
|---|---|---|---|
| 1 | 企画・準備 | 1 | 目的/ペルソナ設定 |
| 2 | 人選・アサイン | ||
| 3 | 質問案作成 | ||
| 2 | インタビュー実施 | 4 | インタビュー |
| 3 | コンテンツ化・公開 | 5 | 文字起こし/執筆 |
| 6 | 写真選定 | ||
| 7 | 内容確認/公開 | ||
上記の7ステップに沿って、企業の魅力や価値観を可視化して採用ミスマッチを防止し、社員のエンゲージメントも高める採用コンテンツを制作しましょう。
本記事では、上記のなかでももっとも重要なポイントである社員インタビューについて、実施のポイントを具体的に解説します。社員インタビューの重要性やメリットなどの概要については、以下の記事を参考にしてください。
▶関連記事:石川さん>こちらの記事を公開後リンクお願いします
社員インタビューを成功させる質問のポイント3選
求職者に響く社員インタビュー記事を制作するには、社員インタビューの時間を充実させ、有意義な話を聞き出さなければなりません。良いインタビューには共通点があります。
はじめに、社員インタビューを成功させる質問のポイント3点を紹介します。
質問は「構造」で考える
良いインタビューの特徴として、話があちこちに飛ばないことが挙げられます。重要なのは、構造化された質問によって、自然な流れで進行していくことです。
たとえば、仕事の話をした後に突然プライベートの過ごし方を聞かれても、取材対象者は回答しにくいでしょう。
できるだけ自然な流れで話が展開していくように、インタビュアーはあらかじめ質問を構造化して整理しておくべきです。
時間軸に沿って質問する
時系列に沿って質問を構造化すると進行しやすいためおすすめです。
「過去→現在→未来」という時間の流れに沿って質問していくと、インタビュー相手の経験を筋の通ったストーリーとして引き出せます。候補者のキャリアや人柄を立体的に深掘りできるでしょう。
また、記事内でも時系列通りの進行を採用するとわかりやすいです。読者は自然な流れでその人の成長や変化を追体験できます。
パート別の質問設計ポイントを押さえる
質問のパート別に以下のポイントを押さえると、取材対象者が回答しやすくなります。
| パート | ポイント |
|---|---|
| インタビューの導入 | 緊張をほぐす |
| 過去について聞く | 経験、動機に着目する |
| 現在について聞く | 具体的な業務内容、価値観に着目する |
| 未来について聞く | 目標とビジョンを引き出す |
ポイントを押さえることで、具体的な事実の話と、価値観や思いなどの抽象的な話のそれぞれについて十分に話を聞くことができるでしょう。
社員インタビューの質問例
ここでは、社員インタビューの実際の質問例を紹介します。
| パート | 質問例 |
|---|---|
| 導入 (アイスブレイク) | 「本日はお時間いただきありがとうございます!まずはお名前と、今の部署での役割、業務内容を教えてください」 |
| 「最近、ハマっていることや休日の過ごし方などプライベートなことを少し聞いてもいいですか?」 | |
| 過去 (入社前のストーリー) | 「これまでのご経歴について教えてください」 |
| 「どのような軸で転職活動をされていましたか?」 | |
| 「数ある企業の中で、最終的に当社を選んだ決め手は何でしたか?」 | |
| 「入社前に、何か不安な点はありましたか?」 | |
| 現在 (仕事のやりがいとリアル) | 「現在の具体的な仕事内容と、1日の流れを教えてください」 |
| 「これまででもっともやりがいを感じた仕事のエピソードを教えてください」 | |
| 「逆に、仕事でもっとも大変だったこと、困難だったことは何ですか?それをどう乗り越えましたか?」 | |
| 「うちの会社の『ここが面白い』『ここが好き』という点を教えてください」 | |
| 未来 (キャリアと目標) /メッセージ | 「この会社で、今後どのようなことに挑戦していきたいですか?」 |
| 「ご自身のキャリアプランについて、どのように考えていますか?」 | |
| 「3年後、5年後、どのような自分になっていたいですか?」 | |
| 「どのような方と一緒に働きたいですか?」 | |
| 「この記事を読んでいる、未来の仲間へメッセージをお願いします」 |
アイスブレイクには、相手の緊張をほぐす内容を入れています。過去について聞くパートでは、入社前にその人が抱えていた課題や感じていたことを起点に、それが入社後どう解決されたかというストーリーを作ります。
現在について聞くパートでは、いまの仕事のリアルや業務の実態を明らかにするとともに、過去の自分と比べて現状はどうかという点を探ります。そして未来では、自分の課題が解決された先に、どのような自己実現を目指していくのかを深掘りするイメージです。
以上の質問例をベースに、記事の目的やペルソナに合わせて質問を調整しましょう。
GIGの採用インタビュー記事の事例
実際に弊社(株式会社GIG)で作成したインタビュー記事について、この記事ではどのような質問を行ったのかを紹介します。
この記事は、第二新卒からの応募を増やしたいという目的で制作されたものです。ジョブチェンジによって新しい挑戦が可能であることを伝えたいという趣旨です。よって、第二新卒でGIGに転職した社員が選ばれました。
インタビューでは、学生時代にどのような軸で就職活動をしていたのかや、仕事についてどのような価値観を持っているのかをヒアリング。入社前にどのような課題を持っていたのかを聞いた上で、転職を決めた背景と、GIGに入社した理由を深掘りしました。
たとえば、「転職活動の際もデザイナーとして入社できる会社を探していたのでしょうか?」という質問に対し、インタビュイーの岡村は「いいえ。当時はデザインを勉強したこともなく、当然実績もないためそれは難しいと考えていました」と、当時の現実(リアル)回答しています。
そんな岡村が、結果的にGIGでデザイナーになり、活躍できているのは何故か? 読者がそんな疑問を持ってくれれば、記事を最後まで読んでくれるはずです。このようなストーリー構成を事前に組み上げたうえで、質問案を設計しました。
質問案の設計については、筆者が執筆したGIGブログの以下の記事も参考にしてください。
▶関連記事:【社員インタビュー質問リスト】求職者に刺さる記事は「質問」が良い。取材前の準備から本番の注意点も解説
社内で取材すると、聞きにくいことが聞けない。そんなときは外部の手をお借りください。
社員インタビューの質を一歩高める深掘りのノウハウ
インタビューは、予め用意した質問をこなすだけではありません。質問への回答内容をさらに深掘りしていくことが最も重要なのです。
深掘りには技術が必要ですが、以下のポイントを意識すれば大丈夫です。インタビューに臨む前の参考にしてみてください。
抽象的な相槌で終わらせるのはNG
インタビュー中に一番やってはいけないことは、相手の回答に対して「そうなんですね!」「すごいですね!」で終わらせること。ただ受け止めて飲み込むだけでは、読者に伝わる記事はつくれません。
インタビュアーが抽象的な相槌を打って感心するだけで終わると、成功したという結果だけが伝わり、それまでの過程や思考、感情などが埋もれてしまいます。それでは会社のカルチャーやその人の魅力を訴求できません。
そこを深掘りしていくために深掘りのノウハウが必要です。
5W1Hで具体化する
インタビューを深掘りするための具体的な技術として、5W1Hに沿って質問すると、具体的な回答を得やすくなります。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
Yes・No(はい・いいえ)で答えられるようなクローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョンで質問できるため、5W1Hは役立ちます。インタビューの際に意識してみましょう。
質問技法を組み合わせて深堀りする
インタビュー内容をいかに深掘りできるかは、「問う力」で決まります。以下の質問技法を組み合わせ、魅力的なコンテンツの核心となるような答えを引き出しましょう。
| 質問技法 | 詳細 | 質問例 |
|---|---|---|
| 明確化を促す質問 | 相手の言葉が曖昧だったり、専門用語で分かりにくかったりする場合に活用 | 「◯◯というのは、もう少し詳しく教えていただけますか?」 「『チームワークが重要』とのことですが、具体的にどのような場面でそう感じますか?」 |
| 具体例を求める質問 | 抽象的な話から、具体的な体験談を引き出す | 「◯◯について、何か具体的なエピソードがあれば教えてください。」 「『成長を実感した』とのことですが、それを象徴するような出来事はありましたか?」 |
| 感情に焦点を当てる質問 | そのときの気持ちや感情の動きを尋ねることで、話に深みと人間味を加える | 「その目標を達成した時、率直にどのように感じましたか?」 「もっとも大変だった時期、どのようなお気持ちで乗り越えようとされましたか?」 |
| 行動や判断の背景・理由を問う質問 | 表面的な行動だけでなく、その裏にある思考プロセスや価値観に迫る | 「その決断に至った背景には、どのような考えがあったのですか?」 「数ある選択肢のなかで、なぜその方法を選んだのですか?」 |
| 影響や結果、学びを問う質問 | ある経験が、その後の行動や考え方にどのような影響を与え、何を学んだのかを明らかにする | 「その経験から得られたもっとも大きな学びは何ですか?」 「その出来事は、現在のあなたの仕事にどのように活かされていますか?」 |
| 仮説に基づいた質問 | 異なる視点を提供し、インタビュイーの潜在的な考えを引き出す | 「もしあの時、別の選択をしていたら、今どうなっていると思いますか?」 |
深掘りをする際は、相手にプレッシャーや圧迫感を与えないように注意しましょう。「なぜですか?」と繰り返すと、詰問調に聞こえがちです。傾聴と共感を忘れず、適切な相槌や共感の言葉を挟みながらインタビューに臨みましょう。
質問への回答に対し、「つまり◯◯ということですね?」と反応する、繰り返しと要約も効果的です。相手が「そうです。~~」「違います。~~」と情報を補足してくれる場合があります。
社員インタビュー実践|ロールプレイング
以下に、実際の社員インタビューの様子を文字起こしで紹介します。質問のポイントと合わせて、参考にしてみてください。
インタビュアー:お願いします。では、インタビューさせていただきますね。Yさんは、入社されて3カ月でしたか。
取材対象者Yさん:そうですね。3カ月ちょっとになります。
インタビュアー:入社3カ月とは思えないほどの働き方をされていると思うんですけど。
取材対象者Yさん:ありがとうございます。
インタビュアー:そもそも、YさんがGIGに入社された理由は何だったのでしょうか。
【ポイント】5W1Hの「Why」を聞く
取材対象者Yさん:もともとGIGを知っていたことと、面接の際に社長とお話しして、すごく面白いと思ったことが理由です。
インタビュアー:なるほど。最初にGIGを知った理由やきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。
【ポイント】質問技法「明確化」で深掘り
取材対象者Yさん:前身の「LIG」という会社と、「Workship」(※5万人が登録するフリーランス・副業人材向けプラットフォーム)を活用していたことの2点です。
インタビュアー:LIGは、どこで知ったのでしょうか。
取材対象者Yさん:だいぶ昔のことなので、いつ知ったのかは思い出せません。ただ、有名なところで言うと、社長が砂浜に埋まっているコンテンツですね。
インタビュアー:ありますよね。みんなに見られている、叫んでいるものですね。そこから面白みを感じていたのでしょうか。
取材対象者Yさん:そうですね。
インタビュアー:あのようなことをする企業は珍しく、もしかしたらLIGが最初だったのかなと思いますが、そこに面白みを感じた理由を聞いてもよいですか。
【ポイント】深掘りでより具体的な言葉を引き出す
取材対象者Yさん:振り返ってみると、あのようなことを企業があえて選択するのは面白いと思ったからですね。
インタビュアー:なるほど。人によっては、それを見て「企業がこんなことをするなんて」と否定的に感じる方もいると思います。その中で、Yさんがそれを面白いと感じた理由は何だったのでしょうか。
【ポイント】質問技法「仮説に基づいた質問」
取材対象者Yさん:他社にはできない決断ができるところが面白かったんだなと思いました。あのような企画は、提案があったとしても、「会社として、それはどうなのか」と判断して、実施しない会社がほとんどだと思います。そうではなく「面白そうだね。やってみよう」と実際に行動へ移すことは、なかなかできることではありません。当時そういうところを見て、懐の深い会社だと感じていました。私は当時からマーケティングの仕事をしており、「こういった面白いことをやってみたい」と常々思っていたんですよね。それが面白いと感じたきっかけです。
インタビュアー:ありがとうございます。
社員インタビュー記事の外注 / 伴走 / 内製化支援は「コンマルク」にお任せください
効果的な採用インタビュー記事を制作するには、インタビュアーによる巧みな深掘りが不可欠です。
取材に慣れないうちは、言葉を引き出すのに苦労するかもしれません。内製化が難しい場合は、プロの経験を頼るのも一つの手です。
コンテンツマーケティングの総合パートナーの「コンマルク」は、年間4,000件以上のリード獲得実績を持つ専門家集団であるGIGのマーケティングチームが、社員インタビュー記事をはじめ、貴社のメディアに必要なコンテンツの制作を一手に引き受けます。外注から伴走、内製化支援まで、ぜひお気軽にご相談ください。
関西学院大学卒業。2020年に株式会社GIGにジョインし、toC/toB向けメディアの運営を担当。インハウスにおける採用/事業広報施策ではAIを活用し、戦略設計およびコンテンツ制作を行っている。
