介護業界の採用広報を成功させるには?おすすめコンテンツと成功のポイントを解説
近年は、介護業界でも給料アップや働き方改革が進み、以前より働きやすくなりつつあります。しかし、多くの求職者の頭の中には依然「昔の介護職」のイメージが残っており、なかなか求人応募に踏み出してもらえないのが現実です。
この記事では、介護業界の人材獲得を成功させるための採用広報について紹介します。介護業界の「今」を正しく伝えるための戦略を学んでいきましょう。
介護業界の採用広報が抱える課題
採用広報とは、採用したい人材に向けて自社の魅力や労働環境などを発信し、応募を促進する活動です。短期的な求人応募だけではなく、長期的なブランディングや応募の質向上、入社後のミスマッチの防止を目的に情報を発信します。
まずは、介護業界の採用活動・採用広報が抱える課題について説明します。
介護業界が抱える「イメージと現実のギャップ」
介護業界には、「3K(きつい・汚い・危険)」「低賃金」「体力的に続かない」といったネガティブイメージが、実態以上に強く根付いています。
処遇改善加算やテクノロジーの進化により、実際には改善が進んでいる部分も多いのですが、現状は情報発信不足で世間一般的には知られていません。そのため、まずは採用広報で正しい現状を知ってもらうことが採用の成功につながります。
「やりがい」だけでは伝わりにくい時代
従来の介護業界の採用活動では、「人の役に立つ」「感謝される」といったやりがい面の訴求が中心でした。しかし、現代の求職者はやりがいだけではなく、労働条件や待遇も非常に重要視しています。
「結局いくらもらえるのか」「休みは取れるのか」「キャリアアップの道はあるのか」といった情報が不足していると、応募につながりにくくなります。感情に訴えるコンテンツだけではなく、数値データもバランスよく発信することが重要です。
介護業界で採用広報が重要な理由
介護業界が採用広報に取り組むべき理由として、以下の4点が挙げられます。
「3K」イメージを払拭できる
処遇改善の実態を可視化できる
未経験者へのサポート体制を伝えられる
利用者との「心の交流」を伝えられる
それぞれどのようなことなのか、詳しく説明します。
「3K」イメージを払拭できる
実際の働き方や職場環境を発信することで、介護業界につきまとう3Kのイメージを改善しやすくなります。清潔な職場環境、最新設備の導入、最新テクノロジーの活用など、“現代の介護施設”の様子を写真や動画で紹介すると、従来のイメージを払拭できます。
感染症対策の徹底や明るい内装、休憩スペースの充実など、働きやすさへの配慮は積極的に見せていきましょう。実際の労働環境を見せることが、何よりの証明になります。
処遇改善の実態を可視化できる
採用広報では、企業側が発信する情報を自由にコントロールできます。そのため、処遇改善加算により給与が上がっている事実や、資格取得による収入アップの道筋を具体的な数字で示しやすいのです。
「介護職=低賃金」というイメージが強いので、経験や資格取得によって年収400万円以上も目指せると知ってもらうだけでも、応募のハードルは下がります。具体的なモデルケースを複数示すと、キャリアパスと収入の見通しを立ててもらいやすくなるでしょう。
未経験者へのサポート体制を伝えられる
介護職は、未経験からでも始められる貴重な仕事です。未経験者が安心してスタートできる環境だと伝えられると、潜在層までアプローチしやすくなります。
入社後の研修スケジュール、OJTの期間、資格取得費用の補助制度など、サポート内容はできるだけ具体的に明示しましょう。未経験から成長した先輩社員の事例を紹介すれば、「自分にもできるかもしれない」と希望を抱いてもらえるかもしれません。
利用者との「心の交流」を伝えられる
利用者との心温まるエピソードや、「ありがとう」と言われたうれしい瞬間を発信することで、介護業界の真の価値を伝えられます。
気軽に投稿できるSNSを活用して、利用者の笑顔や家族からの感謝の言葉、日々の小さな喜びを具体的なエピソードとともに紹介しましょう。感情に訴えるコンテンツと、事実を裏付ける数値データの両方があってこそ、説得力のある採用広報になります。
介護業界におすすめの採用広報コンテンツ
介護業界の特性を存分に活かせるおすすめの採用広報コンテンツは、以下の5つです。
給与・待遇に関するコンテンツ
一日の働き方を伝える動画コンテンツ
資格取得支援・キャリアパスに関するコンテンツ
職場の社員にフォーカスしたコンテンツ
利用者とのエピソードを伝えるコンテンツ
各コンテンツの詳細を説明します。
給与・待遇に関するコンテンツ
いくら仕事のやりがいや将来性を説明しても、最終的に求職者が強く関心を抱くのは「結局いくらもらえるのだろう」というポイントです。この疑問には、できるだけ具体的な数字で答えることが大切です。
初任給だけでなく、3年目・5年目の給与例、夜勤手当、賞与の実績などを細かく公開すると、信頼性と透明性が高まります。例えば「未経験スタート→3年で介護福祉士→年収380万円」というように、実際の社員の働き方をもとにリアルな給与・待遇を紹介しましょう。
一日の働き方を伝える動画コンテンツ
「介護の仕事って、実際に何をするの?」という疑問に答えられるのが、一日密着コンテンツです。朝の申し送りから、食事介助、入浴介助、レクリエーション、記録業務まで密着撮影してTikTokやYouTubeなどの動画プラットフォームで発信しましょう。
動画撮影が難しい場合は、写真とテキストでの説明でも十分効果があります。
重要なのは、「忙しい時間帯」と「落ち着いている時間帯」の両方を見せることです。メリハリがあることが伝われば、「休む時間が取れない」「ずっと走り回っている」というイメージを払拭できます。
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資格取得支援・キャリアパスに関するコンテンツ
求職者の「ずっとヘルパーをすることになるのかな?」という不安を解消できるのが、キャリアパスに関するコンテンツです。無資格・未経験から介護福祉士を取得した先輩職員の実例を紹介しましょう。
資格取得支援制度(費用補助、勉強時間の確保、受験休暇など)があれば、積極的に開示しましょう。未経験からどこまで成長できるかを示せると、長く安心して働ける職場だと安心してもえます。
管理職への昇進や、ケアマネージャーへのキャリアチェンジなど、多様なキャリアの可能性を伝えることも大切です。
職場の社員にフォーカスしたコンテンツ
実際に働く介護施設を選ぶ際、求職者が最も重視するのは「人間関係」です。給与や休日などの条件がよくても、人間関係が悪ければ長続きしません。だからこそ、「どのような人が働いているか」を見せることが重要になります。
男性介護士、子育て中の女性職員、異業種から転職した職員など、さまざまなバックグラウンドを持つ人が活躍している様子を見せることで、「自分にも居場所がありそう」と感じてもらえるでしょう。
利用者とのエピソードを伝えるコンテンツ
給与や休日といった条件面だけでは、介護の仕事の本質は伝わりません。利用者との日々の交流の中で生まれる、心温まるエピソードを発信することも大切です。
noteやSNSで定期的にエピソードを発信することで、仕事の価値を自然に伝えられます。ただし、やりがいだけでは、求職者の関心を高めることは困難です。給与や休日などの条件面の情報とバランスよく組み合わせて発信しましょう。
介護業界における採用広報のはじめ方
介護業界で採用広報を成功させるには、戦略的なアプローチが必要です。
ここでは、初めての採用広報で押さえておきたい基本の4ステップを紹介します。
1. 自社の差別化ポイントを言語化する
まず取り組むべきは、「うちの施設の強みは何か?」を明確にすることです。同じエリアの他施設と比較して、給与水準や休日数、有給取得率、研修制度などの条件面での優位性を洗い出しましょう。
数字で示せる強みだけでなく、以下のような定性的な差別化ポイントも重要です。
利用者一人ひとりに寄り添うケア方針
風通しのよい職場文化
施設長が現場の声を大切にする姿勢
上記のような、数値化できない価値も言語化しておきましょう。
競合施設が公開していない情報をあえて開示することで、透明性をアピールでき、信頼獲得につながります。経営層だけでなく現場職員にもヒアリングを行い、「この施設で働く理由」を現場目線で集めてみましょう。
2. ターゲット人材を設定・分析する
ターゲット人材によって訴求すべきポイントは大きく異なるので、「誰に来てほしいか」について具体的に設定しましょう。
年齢や性別、雇用形態、経験、価値観など、できるだけ細かくペルソナ像を設計しましょう。例えば、40代女性のパート希望者なら「短時間勤務OK」「子育てとの両立実績」、30代男性の正社員希望者なら「給与水準」「将来の安定性」を重点的に訴求すると効果的です。
既存の優秀な職員の特徴を分析すると、どのような人材を採用すべきかのヒントを得られます。
3. 情報発信の方法とKPIを設定する
次に、ターゲット人材が普段どのメディアに接触しているかを分析し、効果的な発信チャネルを選定しましょう。
例えば、40代以上であればFacebookやInstagram、若年層であればTikTokやXが効果的です。ビジネス色が強いコンテンツであれば、WantedlyやLinkedInも選択肢に入ります。
また、あらかじめKPIを設定しておくことも大切です。フォロワー数やエンゲージメント率、採用サイトへの流入数、応募転換率など、数値で測定できる指標を追っていくと効果測定しやすくなります。
4. 段階的にコンテンツを設計する
求職者の段階によって、求められるコンテンツは大きく異なります。求職者を取りこぼすことがないよう、各段階に応じたコンテンツを設計していきましょう。
認知段階:介護業界の実態を伝える啓蒙コンテンツ
興味段階:施設の魅力を伝えるコンテンツ
比較検討段階:具体的な労働環境・条件に関するコンテンツ
応募段階:施設見学の案内やQ&Aなど、応募のハードルを下げるコンテンツ
最初から多くのチャネル・コンテンツに手を出すのではなく、まずは1〜2つに絞って運用を開始し、慣れてから徐々に拡大していくことをおすすめします。
例えば、「求人ページを見てもらえていない」という場合は、SNSで認知のためのコンテンツを発信すると効果的です。「応募辞退が多い」という場合は、採用サイトで施設の魅力を伝えるコンテンツを発信するなど、課題に応じて優先順位をつけながら対応していきましょう。
関連記事:採用広報に欠かせない優秀な人事ライターの探し方|依頼先の選び方と費用の目安を解説
介護業界の採用広報を成功させるポイント
採用広報の効果を最大化するには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
ここでは、介護業界ならではの成功の秘訣を3つ紹介します。
「大変さ」をムリに隠そうとしない
介護の仕事には、たしかに大変な面が多くあります。身体的な負担、精神的なプレッシャー、夜勤の辛さなど、ネガティブな側面を完全に否定すると、入社後に「話が違う」とミスマッチが起きやすくなるため注意が必要です。
重要なのは、大変さを認めた上で「それをどうサポートしているか」を伝えることです。例えば、「入浴介助は介助リフトで負担を軽減しています」「夜勤は大変ですが、翌日は必ず休みを取れます」と伝えると求職者の不安を軽減できます。
現場職員を採用広報の主役にする
人事担当者がいくら「働きやすい職場です」と言っても、説得力には限界があります。
本当に求職者の心に響くのは、実際に現場で働く介護職員の生の声です。新人職員の「思っていたより働きやすかった」、ベテラン職員の「ここなら長く働ける」という等身大の感想が、最強の採用コンテンツになります。
現場職員に採用広報の主役となってもらうには、日ごろから発信しやすい環境を整えることが不可欠です。
業務時間内に投稿時間を確保する
投稿のネタ帳を用意する
よい投稿を社内で評価する
定期的に社員インタビューを行う
上記のように、現場社員が継続的に採用広報へ取り組める環境を整えましょう。
関連記事:採用サイトに掲載する社員インタビューとは?準備から執筆方法、質問例まで紹介
利用者・家族の声を活かす
企業が「うちはよい施設です」と主張するよりも、第三者に評価してもらった方が、何倍も信頼してもらいやすくなります。そして、その最も説得力のある第三者が、顧客である利用者とその家族です。
利用者や家族からの感謝の声は、どのような採用資料よりも重みがあります。個人情報に配慮しながら、感謝の手紙やアンケート結果、口コミを公開しましょう。利用者に選ばれている施設は、職員にも選ばれやすくなります。
介護業界の採用広報ならコンマルクにご相談を
介護業界における採用広報は、「3K」イメージの払拭と仕事の本質的な価値を伝えるための強力な手段です。現代の介護職の魅力を正しく伝えることで、優秀な人材を惹きつけられます。
しかし、日々の介護業務に追われる中で、戦略的な採用広報を継続することは容易ではありません。「どのようなコンテンツを作ればよいかわからない」「ネガティブな情報の伝え方がわからない」といった課題を解決するには、介護業界特有の事情を理解したパートナーが必要です。
そんな介護業界の採用課題を抱える企業様におすすめなのが、コンマルクの採用広報サービスです。コンマルクでは、介護業界ならではの課題に対して、豊富な経験に基づいた解決策を提供します。
「自施設の強みが分からない」という悩みにも、外部の客観的な視点で答えることが可能です。内部では当たり前に思えることが、実は大きな魅力だったりするものです。その魅力を言語化し、求職者の心に響くメッセージとして届けます。
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