【事例付き】採用ブランディングを成功に導く人材要件とペルソナ設計
人材要件を定めたはいいものの、以下のような課題を感じている採用担当者の方もいるのではないでしょうか。
- 要件を決めたはいいが採用戦略と連動していない
- 要件がふわっとしていて選考基準になっていない
- 作っただけで終わってしまい現場に浸透していない
- 現実的ではないスペックの人材を求めてしまっている
人材要件・ペルソナとは何なのかを改めて考えることで、課題を解決できるかもしれません。
本記事では、認定ブランドマネージャー1級を持つGIGの笠原が、1,000件以上の企業ブランディングにかかわってきた知見をもとに、人材要件やペルソナの設定方法を解説します。ミスマッチを防ぎ、活躍人材を採用し続けるため、採用ターゲット設定の基本を押さえましょう。
- 人材要件・ペルソナとは
- 人材要件の作り方
- ペルソナの活用方法
- ペルソナの設定項目
- 採用ターゲット設定でよくある失敗
人材ブランディングについては、 コンテンツマーケティング特化型eラーニングサービス「コンマルクアカデミー」でも詳しく解説しています。

株式会社GIG 経営推進室 Branding Director
笠原 章吾(かさはら しょうご)千葉大学工学部卒。認定ブランドマネージャー1級。リクルート代理店で人材営業と広告クリエイティブを経験したのち、ブランディングを専門とする制作会社で企業ブランディングと採用ブランディングの支援に携わる。関わった企業や案件はのべ1,000件以上、全国に展開するアミューズメント企業のリブランディングから町工場の採用ブランディングまで幅広い経験を持つ。
採用広報は、全体の流れを描いてから進めると手戻りが減ります。コンマルクは戦略設計からコンテンツ制作まで伴走します。
人材要件とは
「人材要件」とひと言で聞くと、抽象的で難しそうな印象を受けます。しかし実際は、要点を押さえれば決して難しい概念ではありません。
人材要件について基本的な理解を進めていきましょう。
人材要件の完成図
まずは具体的なイメージを持っておくと、以後の説明がわかりやすくなります。人材要件の完成図を見てみましょう。
人材要件は最終的に、以下のようなアウトプットで表現します。
| 必要な要件(マスト) | 歓迎する要件(ウォント) | |
|---|---|---|
| スペック | オフィスソフトの基本的な操作 | 理系学科卒業 建築学科卒業 建設業界の経験 CADの操作スキル |
| タイプ | ・計画性:工程やスケジュールを正確に組み立てられる力が不可欠。 ・自主性:自ら考え行動できる人材であれば、現場での突発的な課題に対応できる。 ・責任感:安全や品質に直結する仕事であり、一つの判断が大きな影響を及ぼすため。 ・段取り力:多くの人や資材を扱うため、事前準備と段取りが現場の成否を左右する。 ・コミュ力:協力会社や職人との信頼関係構築に欠かせない。 ・問題解決力:想定外のトラブルが発生するため、迅速・的確な対応力が求められる。 ・対応力:設計変更や天候など、状況の変化に臨機応変に動ける力が欠かせない。 ・牽引力:若手でも現場の一部を任される場面があり、人をまとめる力が必要。 ・成長心:技術や法律が進化する業界のため、常に学び続ける意欲が不可欠。 ・安全意識:施工現場では安全が最優先であり、何よりも重視される。 ・貢献心:チーム全体で動く仕事のため、自分だけでなく周囲を支える姿勢が重要。 | ・プレゼン力:工事内容や進捗を関係者に正確に伝えるスキルが信頼獲得に繋がる。 ・数字感覚:工期や予算を守るために数値で管理する力が重要。 ・挑戦心:厳しい条件や課題の多い現場に立ち向かう姿勢が、成長と成果を生む。 |
表内の概念や、それぞれの象限の内容については追って解説します。今は、完成図のイメージを掴んでおきましょう。
採用ブランディングとの関係
人材要件の定義は、採用ブランディング活動におけるとても重要なステップです。
採用ブランディングの定義
採用ブランディングの定義について、改めて理解しておきましょう。
【採用ブランディングとは】
活躍人材を採用し続けるために、自社の魅力を整理・言語化し、適切な相手に発信する全社的な取り組み。
採用ブランディングでは、欲しい人材と企業の魅力を定義し、コミュニケーション戦略を総合的に検討します。短期的な成果ではなく長期的なメリットをねらい、全社的に取り組むのが理想です。
採用ブランディングは、経営理念から逆算して構築すると良いと言われます。経営理念を実現するために経営戦略があり、それをさらに各事業に落とし込んで事業戦略を立てます。その事業戦略を達成するための人員計画、採用計画です。
この採用計画の中に採用ブランディングが位置します。つまり逆から辿れば、 採用ブランディングによって経営理念を達成できるというわけです。

正しく採用戦略を立てることで、企業成長に寄与するような採用も実現できる。それが採用ブランディングのメリットなのです。
採用ブランディングの進め方
採用ブランディングを具体的に進める際、最初のステップとして人材要件の定義を行います。

まずはどんな人材を求めるかを言語化し、その後の進行の礎を作るのです。
定義した人材要件に基づいて採用競合を定義し、分析します。採用ターゲットが、競合と自社とを比較してどのような点に魅力を感じるかを言語化。その言語化をもとに採用ブランドアイデンティティを策定し、それを旗印に採用活動の全体をデザインします。
そこからやっと採用サイトなどの具体的なツール制作を行い、実行へ。施策の効果を測定しながら、意図したブランドイメージを形成できているかを振り返り、PDCAを回していきます。
このように、人材要件の定義は採用ブランディングの一丁目一番地。最重要要素だということを理解しておきましょう。
採用ブランディングについては以下の関連記事に詳しいので、参考にしてください。
▶関連記事:石川さん>こちらの記事 が公開されたらリンク挿入をお願いします。
スペック・タイプ×マスト・ウォントで定義する
人材要件の定義の仕方はさまざまですが、スペック・タイプ×マスト・ウォントの4象限に分類しながら考えていくのがもっともシンプルでわかりやすいです。
| 概念 | 説明 | 具体例 | |
|---|---|---|---|
| スペック | 具体的な能力と実績。 | 経験 | ・飲食店のホール経験 ・無形商材の営業経験 ・マネジメント経験 ・理学部卒 |
| スキル・資格 | ・CADソフト操作スキル ・自動車免許 ・調理師資格 ・宅地建物取引士 | ||
| タイプ | 人物の特性や傾向 | 適性 | 共感性・計画性・独創性・積極性・社交性・自主性・規律性・協調性・客観性・慎重性・外向性 など |
| 能力 | 行動力・理解力・判断力・記憶力・質問力・傾聴力・包容力・継続力・体力・発想力・交渉力・対応力 など | ||
| 意欲 | 向上心、好奇心、探究心、遊び心・自尊心・競争心・成長意欲・貢献心 など | ||
| 概念 | 説明 |
|---|---|
| マスト | 活躍に必要な要素。欠けると採用は難しい |
| ウォント | あればなお良い要素。歓迎要件。 |
スペックとは主に、履歴書に書けるような項目だと考えると理解しやすいかもしれません。
一方でタイプはとても奥深く、性格などの生まれ持ったものも含まれます。適性は「◯◯性」と表されるものが多く、人格にも近いので、変えるのはなかなか難しいとされます。「◯◯力」などの能力も該当し、これらは努力によって伸ばすことも可能です。
以下は、スペック・タイプ×マスト・ウォントを4象限で表現した具体例です。
| マスト(必要) | ウォント(歓迎) | |
| スペック | ・営業経験1年以上 | ・人材営業の経験3年以上 ・マネジメント経験 |
| タイプ | ・勉強に抵抗がない ・謙虚に教えを乞い、成長する姿勢 | ・挑戦意欲があり、手を挙げることを厭わない ・追い込まれると燃える |
人材要件とペルソナの違い
人材要件とペルソナは似ていると思われることがありますが、目的も内容も異なる、まったく別の概念です。
人材要件は、採用ブランディングの第一歩として採用基準を定性的に定めるものです。採用ブランディング全体の方向性を決める重要な概念であり、 社内で意思の統一を図ります。
対してペルソナは、人材要件をもとに、どこで何をしているどんな人なのかを想定し、具体的な一人のキャラクターを描き出したものです。名前や年齢、出身地、家族構成、学生時代や子ども時代の経験、仕事観、趣味、悩みや課題などの詳細を検討して設定します。
ペルソナとなるキャラクターを決めておくことで、 コミュニケーション設計時などに検討の指針とすることができます。
ペルソナについては、後段でより詳しく解説します。
人材要件が重要な4つの理由
人材要件を決めることがなぜそんなにも重要なのか。それには4つの理由があります。
- ミスマッチを防ぎ、早期離職のリスクを減らす
- 採用戦略とメッセージに一貫性を持たせ、応募者の質を向上させる
- 関係者(社外含む)の採用に関する認識を統一させる
- 選考基準を明確化し、組織全体に採用の方向性を浸透させる
活躍人材の定義により、スキルとタイプ、つまり能力と性格の両面でマッチする人材がどんな人材なのかを言語化できます。全社的な定義に即した採用活動を行うことで、入社後のギャップをなくし、採用した人材に長く活躍してもらえます。
採用コミュニケーションにおいて、メッセージの統一はとても重要です。採用サイトや会社説明会、面接での面接官の言行に、不一致があってはいけません。人材要件を正しく定義し、全社的に周知しておくことで、「あちこちで言っていることが違う」と思われるリスクを軽減できます。
人材要件の言語化により、社内外の関係者に認識を一致してもらえるのもメリット。採用サイトの制作会社や人材紹介会社の担当者なども、共通の人材要件を参照できるため、採用成功につながります。
ミスマッチを防ぐ上で、選考基準の明確化・統一は必須です。人材要件が整備されていないと、面接官によって選考基準にばらつきが出て、「人当たりがいいから採用した」というようなことが起こります。
「こういう観点で、こういうことを期待できる人材を採用している」という基準が現場に浸透すれば、採用活動へのリテラシーやモチベーションが組織全体で向上する効果も期待できるでしょう。
人材要件の作り方
実際に人材要件を作る手順を見ていきましょう。大きく分けて3つのステップで進めます。

各ステップについて、より詳しく解説します。
1.採用の背景を言語化する
採用背景を言語化することで、人材要件をより明確に決められます。さらに、採用の難易度が高い場合に、背景を踏まえた代替手段・妥協案を提案できるようになります。
なぜ採用するのか共通認識を持っておくで、目的からズレるのを防ぐことも。後から施策を振り返る際にも役立つでしょう。
採用背景とは、具体的に言うと以下のような内容です。
- 退職者が出たので欠員補充をしなければならない(退職する◯月までに◯◯ができる人を◯人採用したい)
- 中期経営計画に沿って新部門の立ち上げを行うため、◯◯の経験を持つ人材が必要
2.関係者と活躍人材にヒアリングする
関係者と活躍人材へのヒアリングは、もっとも重要なプロセスです。
まずは現場に話を聞きます。
- 仕事上必要なスキルは?
- あったら活かせるスキルや資格は?
- 活躍するための必要なマインドはどんなもの?
- どんな人と一緒なら働きたいと思える?
さまざまな角度から質問をして、採用したい人材像を描くための情報を集めましょう。活躍人材本人に話を聞くことはもちろん、同じ部署の同僚や上司、同じポジションで活躍する人に対し、その人となりを聞いてみるのもおすすめです。
経営層に話を聞くことも忘れずに。経営者など上位ポジションの人には、自社のカルチャーや、入社してくる人に期待することを含めてヒアリングします。
- 経営戦略や事業計画の達成に必要な組織の一員として期待していることは?
- 今後必要な事業領域や役割は?
などの質問が想定されます。
理想としては、代表や幹部、管理職、現場などそれぞれの階層にヒアリングを行えると良いです。「この階層のメンバーからはこんな意見もあった」などのやり取りを通じて、活躍人材の条件をブラッシュアップしていきましょう。
3.要件に落とし込む
ここまでの過程で集めた要素やキーワードを精査し、人材要件に落とし込みます。
人材要件を精査する際は、以下の観点で精査すると良いでしょう。
- 欲しいスキルに優先順位をつけるなら?
- 現在、社内で活躍している人材の行動特性は?
- 顧客や社内から認められる、自社らしい行動特性は?
- 経営理念やビジョンに貢献する資質や能力は?
精査した内容を、スペック×タイプ、マスト×ウォントの4象限に分類します。

4象限に分けていくコツを2つ紹介しましょう。
- タイプの「適性」「能力」「意欲」のバランスは1:2:1
- それぞれの要件に対し、設定した理由や活かせる場面を付記する
タイプとしては、適性:能力:意欲=1:2:1のバランスが理想と言われています。 適性を3個、能力を7個、意欲を3個程度を設定するとちょうどいいかもしれません。
また、それぞれの要件に対して、設定理由やそれを活かせる場面を合わせて言語化しておくと活用しやすくなります。理由が付記されていることで、社内に人材要件を共有するときに共感されやすく、後々のコンテンツ制作にも役立てられます。
例えば、建築業界の施工管理技士における人材要件を定義するときに、社交性というタイプを設定した場合。施工管理の現場で気難しい年上の職人さんと一緒に仕事をすることになっても、社交性があればうまく会話をして仲良くなり、仕事を円滑に進められます。そういった具体的なエピソードも添えると、社内の理解を得やすくなるでしょう。
人材要件の活用シーン
人材要件を定義できたら、作っただけで終わりにしてはもったいないです。ぜひ活用していきましょう。
人材要件の活用シーンの例です。
- 求人票に記載する
- ペルソナを作る
- 書類選考と面接の合否基準を作る
- 人材紹介会社の営業担当に共有する
この他にも、さまざまなシーンで人材要件は活用できます。
人材要件を実際に活用・運用しながら、採用活動の成果をウォッチしてみましょう。求めている人材を採用できるようになったか、ミスマッチが減ったかなどを測定しながら、気づく点があれば随時人材要件をブラッシュアップすることも大切です。
人材要件でよくある失敗2選
人材要件を策定したものの、なんだか上手くいかない……そんな時に参考にしてほしい、人材要件でよくある失敗を2つ紹介します。
理想が高すぎる
まず、理想が高すぎる要件になっていませんか。
優先度をつけられず、あれもこれもと条件を付けたり、即戦力を求めすぎたり。ハイレベルな人材になりすぎて、採用市場にほとんど存在しないという事態になりかねません。また、条件に合致する人材と運良く接点を持てたとしても、その人が満足できる条件を提示できず、入社に至らないことも。
このような失敗を回避するには、 優先順位付けを徹底することが欠かせません。また、 入社後に伸ばせる能力は要件から外すなど、ハードルを下げる試みも有効です。
この条件は本当に必要か?という問いを常に忘れないようにしましょう。
社内認識の統一が図れていない
定義した人材要件について、社内認識の統一が計れていないのも失敗の元です。
たとえば、こんなことが起こります。現場のマネージャーが「この人ならあのポジションを任せられそうだ」と考えて一次面接を合格に。しかし次の面接で、社長が「なんとなくうちの社風に合わなそう」と考え、落としてしまった……。勿体ないですね。
こうならないためにも、各階層の人にヒアリングを行った結果として、 人材要件と面接評価シートを共有するのがおすすめです。誰もが統一された基準で採用活動に臨めるよう、ツールを作って活用してみてください。
ペルソナとは
人材要件の基本を押さえられたところで、ここからはペルソナについて深掘りしていきます。
ペルソナの語源はラテン語の「persona」で、原義は演劇で役者がつける仮面を指します。やがてカール・ユングによって、社会的な人格・役割を意味する心理学用語として定義付けられ、徐々にマーケティング用語としても使われるようになりました。
採用ブランディングにおいても採用ペルソナはとても重要で、人材要件と採用活動の橋渡しとして欠かせないものです。良いペルソナを定義できれば、強い訴求力を持つ求人広告や採用サイトを作れます。
ペルソナの例
まず、ペルソナとは何なのかを具体的に見てみましょう。さまざまな表現方法がありますが、大まかにはこのようなペルソナを作ります。
ペルソナ本人の写真と基本情報、現在に至るまでのおもな出来事
人材要件で設定したタイプ・スペック
この人物のペイン・ゲイン。
現在の不満・不安や、次の職場に期待すること・要望など
ペルソナのアウトプットがイメージできたでしょうか。各項目については、追って詳しく解説します。今は大まかなイメージを押さえておいてください。
ペルソナを設定する理由
人材要件だけでなくペルソナをわざわざ設定する理由は、 ペルソナによってその人となりに合わせた採用コミュニケーションを設計できるからです。
人材要件はあくまで、企業側が「こんな人がいい」と思う条件を並べたリストに過ぎず、これだけでは実在する人物像が見えてきません。
しかし採用は企業と求職者の双方のコミュニケーション。相手がどんな人かを考えなければ上手くいかない可能性が高いでしょう。
そこで、ペルソナを策定します。ペルソナによって、人材要件では見えてこなかった採用ターゲットの人となりが見えてきます。相手の立場に立って考えることで、採用ターゲットの行動、つまり転職(就職)活動のプロセスをイメージしやすくなるため、どんな接点でどんなメッセージを送るのかを考えやすくなります。
ペルソナを決めず人材要件だけで進行すると、採用サイトやSNSなどを作るたびに「こんなトーンでいいのかな?」という議論になります。そんな時にペルソナがあれば、その人物に刺さりそうかという共通の基準で考えられるのです。
採用ブランディングにおけるペルソナ
採用ペルソナの定義は、人材要件と求職者市場をもとに、架空の求職者像を詳細に描いたもの。そしてその役割は、採用ターゲットのリアルな心理への理解を促し、採用メッセージやプロセス設計の基準となることです。
ちなみに、マーケティングにおけるペルソナは、商品やサービスをプロモーションする際に、誰に届けたいのかを明確にするために設定した人物です。あたかも実在するかのような詳細なプロフィールを設定するという特徴は、採用ペルソナと共通していますね。
人材要件との違い
採用ブランディングのプロセスにおいて、人材要件はペルソナに先んじて策定されます。人材要件は条件を列挙してセグメントを定義しますが、ペルソナでは「どこで何をしている」「どんな人か」というレベルまで解像度を上げます。

人材要件というプールの中には、その条件を満たす人がたくさんいます。 その人たちを代表する特定の人物を、1人だけ定義するイメージです。
ペルソナの活用方法と事例
ペルソナを作ったらどう活用すればいいのか、実際の事例を交えて解説しましょう。
ペルソナは、 提供価値を設計する際に活用します。自社と採用競合を分析し、自社の魅力を整理したら、その中で ペルソナにとって価値となるものを選ぶ工程があります。

たとえば、将来的に幹部候補となる優秀な学生を採用したい企業があったとしましょう。その企業は、採用サイトや面接、面談、会社説明会など、あらゆるタッチポイントについて、「軸」を定める必要があります。
軸を作るときにはまず、検討材料としてペルソナと自社の魅力を用意します。
ペルソナを用意(再掲)
自社の魅力を用意
そして、ペルソナが抱えるペイン・ゲインをもとに、ペルソナがもっとも魅力的だと感じる自社の提供価値を探ります。そうして抽出した提供価値を基準に、採用コンセプトなどの軸を設定していくのです。
共感の接点を探る
採用コンセプトなどの「軸」を定義
ペルソナは、ほかにもさまざまな場面で活用できます。
- 求人媒体の選定
- 採用サイトのトンマナやコンテンツの選定
- 面接評価シートの作成
- 内定者フォロー施策の立案
採用コミュニケーションの接点におけるあらゆる場面で、ペルソナが基準となります。「これでペルソナに興味を持ってもらえるだろうか?」「この表現をペルソナは良いと思うだろうか?」と、考える材料にしてください。
ペルソナの設定項目
実際にペルソナを作っていく際に設定する3つの項目について、詳しく見てみましょう。
- 属性情報
- ペルソナストーリー
- ペイン・ゲイン
属性情報
属性情報には、名前や年齢、出身地、性格、職業、学校歴や職歴などをまとめます。

さらに、事前に決めておいた人材要件から、この人が持っているスペックやタイプを書き出しておきましょう。

ペルソナストーリー
ペルソナストーリーには、小学生くらいの頃から現在に至るまでにどんなことを経験してきたのか、エピソードを作っていきます。

人物の原体験を詳細に作り込むことで、このペルソナの性格や考え方などがどのように形成されてきたのかイメージしやすくなります。
ペイン・ゲイン
ペインとゲインも重要な要素です。ここでは、ペルソナの人物が現在抱いている不安や不満、不足とその原因、さらに期待や要望、安心する要素などを整理します。

ペインでは、「給料が少ない」「評価されない」というような、今の仕事に対する不満を想像して盛り込みます。「将来の仕事に対して、自分が上手くできるだろうか」「こういうことをやらされたら嫌だな」といった不安も書き出しましょう。
たとえば上記例の佐藤さんは、「新卒から経営企画の仕事に挑戦できる可能性は低いんじゃないか」と不安を感じているかもしれません。または、就活をしていく中で、あるいは先輩から聞いた話を通じて、「“名ばかり企画職”をやらされるのでは」と心配している可能性もあります。
採用サイトや就活サービスで得られる情報では、企業の挑戦に関する情報が少なく、判断材料が得られないという不満を抱えていることも考えられます。こうしたペインをまずは並べていきましょう。
同様に、仕事や会社に持っている期待や要望などもゲインとして整理していきます。仕事を通じて意思決定に関われる実感を得たいのかもしれませんし、「若手でも裁量を持てる会社なら、希望している仕事を任されそう」と期待しているかもしれません。
ペルソナでよくある失敗3選
最後に、ペルソナ作りでよくある失敗を3つ挙げておきます。
理想の人物を設定してしまう
人材要件と同様、高すぎるスペックを持つ人物を設定するのは失敗の元です。
架空の人物だとしても、妄想の世界にしかいないような人物をペルソナにしてしまうと、フィクションの相手に向けた採用活動を行うことになってしまいます。
人には長所もあれば短所もあり、成功より失敗を多く経験するものです。リアリティのある人物像を作っていきましょう。
ペルソナを一度作ったら、都合のいい人物像になっていないか、関係者に確認してみると確実です。
細かすぎる情報を盛り込んでしまう
ペルソナ設定は細かく設定するのが大切ですが、加減には注意が必要です。細かすぎると逆に重要な情報が紛れてしまい、分かりにくくなります。
細かすぎる設定の例
あくまで採用ブランディングに必要な範囲内で、人となりのわかるペルソナを設定しましょう。
作って満足してしまう
作っただけで満足して終わってしまうという落とし穴もあります。
ペルソナは、一歩踏み込んだ施策の立案と実施に活かしてこそ意味があります。
採用ブランディングを検討する際は常に、「ところでペルソナってどういう人だっけ?」と立ち返って考え、日頃から活用していきましょう。
採用ブランディング支援は「コンマルク」にお任せください
人材要件やペルソナを作り込み、採用ターゲットの解像度を高めた後も、採用ブランディングに必要なタスクは山積みです。
採用ブランドアイデンティティを策定し、それに基づいた採用計画を立て、実際にツールなどを制作して実行する。ツール制作や、継続的に行うコンテンツ制作には多くの工数がかかります。
コンテンツマーケティングの総合パートナーの「コンマルク」は、採用ブランディングやWebマーケティングの専門家集団であるGIGのマーケティングチームが、貴社の採用ブランディングを支援します。採用コンテンツ制作の外注から伴走、内製化支援まで、ぜひお気軽にご相談ください。
- 採用ブログ・オウンドメディア運用代行
- Wantedly運用代行コンサルティング
- 採用動画制作
- 採用サイト・コンテンツ制作
リクルート代理店で人材営業と広告クリエイティブを経験したのち ブランディングを専門とする制作会社で企業ブランディングと採用ブランディングの支援に携わる。 関わった企業や案件はのべ1000件以上、全国に展開するアミューズメント企業のリブランディングから町工場の採用ブランディングまで幅広い経験を持つ。