
noteを活用した採用広報の成功事例5選|メリット・デメリット、成果を出すコツを紹介

採用広報において、企業の魅力や社風、働く環境を伝えることは、優秀な人材を獲得するための重要な活動です。近年、そのための手段として注目を集めているのが、文章メディア「note」を活用した採用広報です。
noteは、企業理念や社員の声を丁寧に伝えることで、求職者からの共感を生み出し、採用活動の質を高めるために多くの企業で活用されています。ただし、「とにかく情報を発信すればよい」というわけではなく、戦略的な運用と継続的な取り組みが非常に重要です。
この記事では、noteを活用した採用広報の成功事例と具体的な活用法について解説します。
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noteとは
noteは、文章や写真、動画などのコンテンツを投稿できる、ビジョンや価値観を伝えることを得意としたメディアプラットフォームです。無料で利用できる個人アカウントと、法人向けの有料サービス「note pro」があり、法人アカウントは企業の公式ブログや採用広報として活用されることが増えています。
他にも、noteには以下のような特徴があります。
企業の「ストーリー」を伝えたいときに効果的
共感性を重視したコミュニケーションが可能
X(旧Twitter)などのSNSと連携した拡散効果
採用管理システム「HERP Hire」との連携で直接応募も可能(note proのみ)
シンプルなデザインと使いやすい機能性が特徴で、企業の魅力や社員の声を伝えることに適しています。
特に、従来の採用サイトでは伝えきれなかった「企業の日常」や「社員の本音」などを発信する媒体としての活用がおすすめです。求職者との共感を生み出し、自社に興味を持ってもらうきっかけを作り出せます。
関連記事:採用サイトとは?効果や作り方、成功のコツを事例とともに紹介
noteを活用した採用広報の成功事例
noteを採用広報に活用して成果を上げている企業は数多く存在します。ここでは、特徴的な取り組みを行っている5社の事例を紹介します。
キリンビール株式会社
カルビー株式会社
シチズン時計株式会社
株式会社ベーシック
ソウルドアウト株式会社
各社の具体的な取り組みをみていきましょう。
キリンビール株式会社
▲出典:キリンビール株式会社
酒類の製造・営業・販売大手のキリンビール株式会社は、従業員の想いを伝えることに重点を置いたnote運用を行っています。
「仕事で大事にしている価値観」や「自分らしい仕事の作り方」など、求職者が興味を抱きやすいコンテンツを積極的に発信。さらに、商品開発の過程やお客さまからの声も織り交ぜることで、企業イメージの向上やブランディングにもつなげています。
求職者だけではなく一般の消費者が読んでも楽しめるコンテンツばかりなので、将来的に就職・転職活動をする可能性がある潜在層へのアプローチにも成功しています。
カルビー株式会社
▲出典:カルビー株式会社
大手菓子メーカーのカルビー株式会社は、noteで採用活動や人材育成をテーマにしたコンテンツを連載しています。特に、新卒に向けてカルビーで働くことをイメージできるきっかけになる記事の拡充に力を入れています。
商品づくりの現場を支えるプロフェッショナルにスポットを当てたり、プレスリリースに書ききれなかった商品へのこだわりを取材したりと、多様なコンテンツを掲載。商品への想いや熱意を発信することで、求職者はもちろんのこと、そのほかのステークホルダーにもしっかりとアピールできています。
シチズン時計株式会社
▲出典:シチズン時計株式会社
精密・電子機器メーカーのシチズン時計株式会社は、noteを活用して新卒向けの情報発信を行っています。
企業の誕生秘話やグループ会社、自社の強み・技術力など、会社について詳しく知ってもらえるコンテンツを掲載。さらに、教育制度や福利厚生など、求職者が気になる待遇面についても丁寧に説明しています。
記事では、実際の研修の様子や社員食堂のランチメニューなどを写真付きで紹介。求人サイトでは見られないここだけの情報発信で、他の採用メディアとの使い分けに成功しています。
株式会社ベーシック
▲出典:株式会社ベーシック
BtoBマーケティングに特化した支援サービスを提供する株式会社ベーシックは、社内の複数のクリエイターが情報発信するという特徴的な運用方法を採用しています。ポジションやレイヤーにかかわらず会社全体で運用することで、「企業の実情を知れる」魅力的なアカウントに仕上がっています。
AI研究開発の裏側や実際にお客さまへ提案している内容の紹介など、入社後の働き方をイメージできるコンテンツが盛りだくさん。さらに、就活軸整理のテクニックや新卒採用の成功秘話など、求職者・採用者の両方に刺さるコンテンツを積極的に公開しています。
MNTSQ株式会社
▲出典:MNTSQ株式会社
企業の契約業務DX化を支援するSaaSプロダクトを提供するMNTSQ株式会社は、noteでAIやDXに関する情報を積極的に発信しています。
自社が得意とする領域のコンテンツを充実させることで、専門性を強くアピール。さらに、実際に働いているメンバーのインタビュー記事も豊富に投稿しているため、「どのような人材がどのように活躍しているのか」を知ることができます。
採用活動に関するコンテンツだけではなく、自社の信念やプロジェクトでのディスカッション内容など、幅広い情報を投稿。入社の企業研究はもちろんのこと、入社後の社員教育にも活用できそうなnoteアカウントに仕上がっています。
noteを採用広報に活用するメリット
noteを採用広報に活用すると、以下のようなメリットを得られます。
ミスマッチを防ぎやすい
採用コストを削減できる
潜在層にアプローチできる
社員のエンゲージメントが向上する
ここでは、noteならではの効果について詳しくみていきましょう。
ミスマッチを防ぎやすい
社内の様子を知れるコンテンツを準備しておくことで、採用活動の精度を高める効果が期待できます。企業の雰囲気や働き方、実際の業務内容など、他の採用メディアでは伝えきれない情報をnoteで発信すれば、入社後のギャップを防ぎやすくなるでしょう。
早期離職を防止するには、応募・選考段階でお互いの期待値をすり合わせておくことが不可欠です。そのためには、社員の生の声や失敗談なども包み隠さず伝えて、より実態に近い企業像を伝えることが重要となります。
採用コストを削減できる
noteを通じて企業の魅力を十分に伝えれば、求人広告の掲載コストを削減しても一定数の応募を確保できるようになります。note運用には時間も手間もかかりますが、長期的にみると採用コストの削減効果は大きいといえるでしょう。
また、求人情報だけでなく、企業のストーリーや社員の声を発信することで、求職者の応募意欲を高める効果も得られます。その結果、選考辞退を防いだり内定承諾率を向上させたりすることが可能です。
特に、noteを通じて企業に共感を抱いてくれた人材は、熱意や志望度が高くなりやすい傾向にあります。そのため選考過程で離脱される可能性が低く、少ないコストで効率的な採用活動が可能になるのです。
潜在層にアプローチできる
noteでは採用情報だけではなく、自社の「認知」や「興味」を向上させるコンテンツも投稿できます。すぐに転職を考えていない潜在層にもアプローチしやすいので、将来的な人材獲得の土台を築ける点もメリットです。
特に、専門性の高い職種や自社の価値観に深く共感してくれる人材を採用したい場合は、日常的な情報発信を通じて少しずつ興味や関心を高めていくアプローチが効果的です。時間をかけて種まきをしておくことで、転職意欲が向上したときに、真っ先に応募先として検討してもらえる存在になれるでしょう。
社員のエンゲージメントが向上する
社員が自社の魅力や仕事のやりがいを発信することで、社内の風通しの良さが向上するという副次的効果も期待できます。自分の仕事について語る機会を持つことで、社員自身があらめて仕事の意義や会社への貢献を実感できるようになるでしょう。
また、noteで発信された内容が社内で共有されれば、部署間の理解促進や社内コミュニケーションの活性化にもつながります。noteは採用活動だけでなく、組織開発の観点からも効果が期待できるツールだといえるでしょう。
noteを採用広報に活用するデメリット
noteを採用広報に活用するときは、以下のデメリットに注意しましょう。
運用コストがかかる
成果が見えにくい
各デメリットの詳細を紹介します。
運用コストがかかる
noteのコンテンツは自社で作成する必要があるため、どうしても人的コストがかかってしまいます。特に、社員に執筆を依頼する場合は、業務との兼ね合いや心理的ハードルに配慮が必要です。
記事の質を維持しながら定期的に更新するためには、専任の担当者を置くか、外部のプロに依頼するなどの対策が必要になります。中小企業や採用担当者のリソースが限られている企業では、自社だけでは継続的な運用が難しくなるかもしれません。
必要に応じて、採用広報会社に代行を依頼するのもひとつの解決策です。専門家のサポートを受けることで、効率的に成果の高いnote運用が可能になります。
関連記事:採用広報代行サービスとは?依頼できる業務やおすすめの会社を紹介
成果が見えにくい
noteは中長期的な運用が不可欠なツールなので、目先の短期的な成果だけを求めないように注意しましょう。なぜなら、noteは応募数の直接的な増加よりも、企業ブランディングや認知度向上などの間接的な成果の創出に適しているためです。
即効性を求める場合は、他の採用メディアと併用するなど、目的に適した採用戦略を構築しましょう。
このような指標は効果測定が難しいため、「note運用は投資対効果を判断しにくい」という課題を抱えている企業は少なくありません。応募数や採用数といった定量的な指標だけでは効果測定が難しいので、「応募の質」や「企業理解度」といった定性的な指標も活用しながら検証を続けましょう。
noteで採用コンテンツを制作するときのポイント
noteを効果的に活用するには、以下のポイントを意識して運用することが重要です。
採用ペルソナを明確にしておく
自社の強みを整理する
KPIの設計と効果測定を繰り返す
他のSNSと連携する
さまざまな形式のコンテンツを制作する
どのようなことなのか、詳細を説明します。
採用ペルソナを明確にしておく
まずは、採用したい人物像を明確にしていきましょう。自社で活躍している人材について言語化し、具体的なペルソナ設計に落とし込むことで、発信すべき情報がみえてきます。
ペルソナを設定する際は、以下のような要素を考慮しましょう。
年齢・経験年数・スキルレベル
価値観や働き方の志向性
キャリアにおける課題や興味関心
情報収集の方法や媒体との接点
実在する人物のプロフィールのように、できるだけ細かく描いていくことがポイントです。どのようなテーマやトーンで発信すべきかがみえてくれば、効率的に成果につながるコンテンツ制作が可能になります。
自社の強みを整理する
次に、ペルソナが魅力に感じるであろう企業の強みを整理していきましょう。
Profession(仕事・成長)
People(風土)
Philosophy(目標・方針)
Privilege(待遇・給料)
上記の要素を軸に情報を整理していくと、自社の強みを再発見しやすくなります。自社ならではの特徴や独自性を中心に発信できると、他社との差別化につながるでしょう。
採用活動をするうえでは、決してすべての面で優れている企業になる必要はありません。「若手社員でも積極的に発言できる」「ユニークな福利厚生がある」など、特定の分野に強みを持つ企業であれば、共感してくれる人材が集まる可能性は十分にあります。
KPIの設計と効果測定を繰り返す
単にnoteで記事を公開するだけでは、企業の自己満足になってしまいます。目的(KGI)を達成するために必要な中間目標(KPI)を設定し、達成度を評価しながら運用することで、ターゲットに刺さるコンテンツの制作を目指しましょう。
例えば、以下のような指標にもとづいて効果測定を行うと効果的です。
記事の閲覧数・滞在時間
いいねやコメントの数
社名検索数の変化
採用サイトへの流入数
エントリー数
また、noteは中長期的に採用ブランディングをすることを得意としているので、以下のような指標の活用もおすすめです。
入社経路の割合
コメントの質
志望動機の具体性
応募者とのコミュニケーションの質
業界内での評判変化
内定承諾率・早期離職率の変化
「ターゲットがどう感じているのか」「どれだけ採用広報に貢献したのか」を定期的に測定し、次の施策に活かしていきましょう。
他のSNSと連携する
note運用だけで記事の認知度を向上させることは難しいため、X(旧Twitter)などのSNSを活用して拡散する仕組みを構築しておくと効果的です。例えば、企業公式アカウントだけでなく、社員個人のSNSアカウントでの拡散も促進すると、より広い層へのリーチできるようになるでしょう。
採用サイトやコーポレートサイトからのリンク設置など、他の採用メディアとの連携も効果的です。採用広報に有効なメディアについては、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:採用メディアとは?代表的な種類や活用のメリット・成功ポイントを解説
さまざまな形式のコンテンツを制作する
単調なコンテンツばかりでは読者に飽きられてしまう可能性があるので、いろいろな切り口や形式のコンテンツを用意しましょう。
例えば、以下のようなコンテンツを織り交ぜながら発信すると有効かもしれません。
仕事内容や業務の裏側を詳しく伝える記事
社員インタビューや入社体験記
社内イベントレポート
創業秘話や企業の歴史
特徴的な制度や働き方の紹介
異なった視点や切り口で情報発信すると、ターゲットの関心を維持しやすくなります。また、文章だけでなく写真や動画、図解なども活用しながら、わかりやすさや親しみやすさを高める工夫も凝らしましょう。
noteを活用した採用広報で成果を出したいならコンマルクへご相談ください
noteを活用した採用広報は、企業の魅力や価値観を丁寧に伝え、求職者との共感を生み出す効果的な手法です。求人情報だけでなく、企業のストーリーや社員の声を発信することで、自社に合った人材と出会いやすくなるでしょう。
ただし、社内のリソースだけで質の高いコンテンツを定期的に制作・投稿することは、非常に難しいものです。そのような場合は、採用コンテンツ制作の専門家に相談することを検討するとよいでしょう。
noteを活用した採用広報をご検討中の企業は、ぜひコンマルクへご相談ください。
コンマルクでは、企業のブランドイメージの向上や応募者の増加、応募者と企業のミスマッチ防止に効果的な採用コンテンツの制作を支援しています。一社一社の個性や文化を反映した、パーソナライズドされたコンテンツを提供することで、企業成長につながる採用広報を実現します。
さらに、採用コンテンツだけでなく、そのほかの取材コンテンツや動画コンテンツ、ホワイトペーパー、プレスリリース、メールマガジンなど幅広い範囲でのご支援が可能です。マーケティングの戦略設計から運用支援まで、上流から下流まで何でもお気軽にご相談ください。
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